「日本モーターボート選手会会長賞」（３１日、宮島）

　最終日の１１Ｒで、松田大志郎（３６）＝福岡・１０４期・Ａ１＝がイン逃げで１着。２００９年５月若松のデビューから１５年目にして通算１０００勝を達成した。

　低調機を引いた今節は前検日から整備に着手。予選での３連勝で９９９勝として、最後の最後に巡ってきた１号艇で１０００勝を達成した。「緊張したのでホッとしました。今節は疲れました。次に持ち越すのはイヤなので、今節中にできて良かった」と安堵（あんど）の表情。水神祭は本人が丁重に辞退し、セレモニーは行われなかった。

　静かに大台をクリアした松田は、「こうして走らせてもらえる環境にいることは当たり前ではない。１０００勝とかではなく、一走一走感謝の気持ちで走ることが僕にとって一番大事」としみじみ。「走れなくなる人もいる。亡くなる人もいる。ここで（中田）達也もそうだった。だから、感謝の思いでこれからも走り続けたい」とレース中の事故で天国に旅立った後輩を偲んだ。

　「最近エンジンの引きが悪くて、クラシックも今回の宮島も余裕がなかった。塩対応で申し訳ない」と最後まで律義な好青年。昨年はＶ７で今年は再びＳＧの舞台へ返り咲いた。通算１０００勝は通過点。大きな志を胸に、松田のボートレーサー人生はこれからも続く。