菜七子、2年目飛躍へ語った 昨年、16年ぶりJRA女性騎手で大ブレーク

 激動の1年を終えて飛躍の2年目へ-。16年ぶり、史上7人目のJRA女性騎手として大ブレークした藤田菜七子騎手(19)=美浦・根本=が、デイリースポーツのインタビューに応じた。2016年の戦績は294戦6勝(JRAのみ)。地方や海外など忙しく飛び回った1年を振り返り、少しずつ芽生えてきた自信、“菜七子フィーバー”に対する戸惑い、そして2017年の決意などを大いに語った。

 -騎手デビュー1年目を終えての感想は。

 「たくさんの馬に乗せていただき、充実した1年でした。でもまた競馬が始まりますし、ホッとしたところは全然ありません」

 -この1年で楽しかったことや、つらかったことは。

 「レースで勝った時は一番楽しかったし、ジョッキーになって良かったと思う瞬間です。大変だったことは…そうですね、勝てない時期が長く続いたり、なかなか思うように乗れなかったりした時はどうしても落ち込んでしまいます」

 -そういう時の気持ちの切り替えは。

 「終わった後のことはあまり考えないように、レースが全部終わってから振り返るようにしています。あまり引きずらないように」

 -12月24日にJRA6勝目(中山4R・シルヴァーメテオ)を挙げた。

 「あのレースは道中、馬群の中でどんどん位置取りを下げてしまって…。自分がイメージしていた通りではなかったのですが、最後はすごい脚で伸びてくれました」

 ◆昨年は全国の地方競馬場からの騎乗オファーも殺到。計8場で騎乗した。

 -地方ではトータル8勝をマーク。

 「さまざまな競馬場で乗れていい経験になりました。いろんな場所で騎乗機会をいただけたのは感謝の気持ちしかありません。それに中央で勝てない時期に地方競馬に参戦して、ファンの温かい声援をいただいた際は、また頑張ろうという気持ちになりました」

 -レースには慣れた?

 「たくさんの騎乗機会をいただき、少しは慣れたのかなと思います。でも、まだ分からないところも多いので難しいです。(騎乗技術については)デビューした頃と比べると変わっていると思います。でも本当にまだまだなので、もっとしっかり乗れるようになりたい。技術を磨いてもっと結果を残せるようになりたいです」

 ◆騎手である一方で、まだあどけなさの残る普通の女の子でもある。

 -普段の生活で変わった点は。

 「今までと同じことをしていても注目されるようになりました。最初は驚きましたし、やっぱり戸惑いはありました」

 -過熱する取材が迷惑と思ったことは。

 「少しはあったかも(笑)。でもたくさん注目されるのはありがたいことです」

 -全休日の気分転換は。

 「寮にいることが多かったけど、買い物に出掛けたりもしています。競馬の帰りとか月曜日に都内に行ったりしますよ。いい気分転換になりました」

 -外出した際にファンから声を掛けられることは。

 「ないです。勝負服だったら分かるのかもしれないけど(笑)。私服だったら分からないと思いますよ」

 -今年チャレンジしてみたいことは。

 「料理をやってみたい。寮ではできないので、なかなか機会がなくて…。あとは英語も勉強したいです。(国際女性騎手招待競走で)アブダビに行った時は、身ぶり手ぶりでコミュニケーションを取っていたんですけど、それでは駄目ですよね」

 -“菜七子フィーバー”で女性騎手という職業に注目が集まった。

 「デビューしてまだ1年で、大きなことを言える立場ではないのですが、私をきっかけに女性ジョッキーがもっと増えてくれればいいなと思っています。それにジョッキーという存在をギャンブルとしてだけではなく、スポーツの面でも知ってもらいたい」

 ◆何より結果が求められる勝負の世界。2017年はさらなる飛躍が期待される。

 -昨年のリーディングには戸崎圭太騎手が輝いた。

 「見習うところは全部。本当に尊敬します。あれだけ勝っていて制裁が一度もないのはすごい。カッコイイなと思います」

 -同期の存在も刺激になる。

 「(木幡)巧也クンもそうですけど、みんな本当に上手。みんなたくさん勝っていてすごい。私が同期の中で一番勝っていないので、早く追いつけるように頑張りたいです」

 -体のケアについては。

 「1日寝れば疲れは取れます。結構、体が丈夫なので、風邪とかも全然ひきません!」

 (続けて)

 「体重に余裕があるので、体力や筋肉を付ける意味でも普段はたくさん食べるようにしています。今までは自分で考えてトレーニングをしていましたが、今年から専属のトレーナーを付けるようにしました」

 -今年の目標は。

 「具体的な(勝利)数は決めないようにしています。ひとつずつ勝ち星を積み重ねていきたい。それに3月にはひとつ下の世代がデビューしてライバルが増えます。そういう意味でも、もっと頑張らないといけないですね。私自身、昨年はもっとやれたのでは、と思うところがあるので、その気持ちを今年につなげていければ」

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