2強の壮絶な頂上決戦から目を離すな! 17年競馬界を占う

 昨年末のグランプリはサトノダイヤモンド(牡4歳、栗東・池江)が完勝。世代レベルの高さを証明したが、天皇賞・春、ジャパンCを制したキタサンブラック(牡5歳、栗東・清水久)も反撃に虎視たんたん。ともに海外を視野に入れる古馬2頭が、2017年も存在感を示しそうだ。3歳牡馬クラシック路線はタレント豊富も、サトノアレス、レイデオロ(ともに美浦・藤沢和)が中心に。牝馬も同厩のソウルスターリングが一歩リードという状況だ。

 池江師が「サラブレッドの理想型」と常々語るサトノダイヤモンドが、いよいよ海外へと打って出る。昨年末の有馬記念で難敵キタサンブラック、ゴールドアクターを撃破。レース後、指揮官は「春は国内に専念、秋はフランスへ向かいます。凱旋門賞から逆算してローテを組みたい」と、今年は断念した世界最高峰の一戦への挑戦を高らかに宣言した。

 フランス競馬を知り尽くすルメールも「頭がいい馬です。それにスタミナもあるし、すぐにいい位置を取れる。凱旋門賞向きだと思います」と太鼓判を押す。春は国内で同世代のマカヒキなど、ライバル勢としのぎを削ってさらに進化を目指す方針。日本最強馬の称号を手にし、満を持して海を渡るつもりだ。

 師は「まだ、背腰が緩いんです。ひとつひとつの性能は高いけど、平均的に高いタイプ。だから、もう一本芯が入れば、ひとつ上のギアを手に入れることができる。そう、オルフェーヴルのような爆発力が欲しい」と、ひと皮むけた愛馬の姿を期待する。12、13年の凱旋門賞で2着に終わった厩舎の偉大な先輩の分まで-。今年こそ、日本競馬界の悲願を成し遂げてみせる。

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