【天皇賞】リアルスティール雪辱期す 毎日王冠回避が吉に

 「天皇賞(秋)・G1」(30日、東京)

 安田記念11着の雪辱を期すリアルスティールは26日、栗東坂路で単走での追い切り。ほぼ馬なりで4F53秒8-38秒4-12秒5と、前走時の4F50秒8(強め)から一転してソフトな最終デモだった。

 「予定通り。毎日王冠を使うというのがベストだったが、あの時の状態で使わなくて良かった。息遣いも良化しているし、次善の策は打てた」と矢作師は目尻を下げる。レースを直前に控え、体もシャープに仕上がった。前哨戦回避の決断は、今のところ吉と出ている。

 師の脳裏にかすめる不安は、仕上がりよりも前走内容だ。敗因を探るなかで思い当たったのが、テンションの高さ。特に返し馬でのイレ込みが激しく、レースでも折り合いがつかなかった。そこで今回は直前軽めの調整を選択。「堅実でしっかり走れる馬に戻したい」と名誉挽回を誓う。

 心強いのが新コンビのM・デムーロ。「折り合いが難しい馬でも、構えないで攻撃的に乗ってくれるからね」と指揮官は信頼を寄せる。託された鞍上も「乗り難しい馬は大好き。ドバイの時のイメージで乗りたい。ドゥラメンテのいいライバルだった馬。チャンスはあると思う」とドバイターフの再現を狙う。今度は不発に終わらせない。世界を制した脚が、府中の直線でうなりを上げる。

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