【高松宮記念】アイル出た自己新49秒7
「高松宮記念・G1」(27日、中京)
早くもアクセル全開だ。前哨戦の阪急杯を逃げ切ったミッキーアイルが23日、栗東坂路の最終追い切りで持ち前のスピードを惜しみもなく披露。4F49秒7の自己ベストタイムで駆け上がり、最高潮の出来を誇示した。鞍上の松山もJRA・G1初制覇のビッグチャンスに気合が入る。なお、シルクロードSを制したダンスディレクターは、筋肉痛のため出走を回避することが決まった。
まるで銃口から弾丸が飛び出したかのように、暴力的なまでのスピードを見せつけた。阪急杯で復活Vを飾ったミッキーアイルが、栗東坂路で4F49秒7の驚速時計をマーク。自己ベストを更新する50秒を切る数字に、騎乗した松山は下馬するなり音無師に、「すみません、ちょっと速くなってしまいました」と頭を下げた。しかし、トレーナーは「いいよ。時計が出ると思っていたから」と笑顔で返答。その晴れやかな表情が、満足度の高さを示していた。
前走は久々に自分の競馬を完遂。自信を回復したことで、調教でも本来の走りを取り戻したように映る。この日もスタートからガンガン飛ばし、鞍上は引っ張りきり。残り100メートルで仕掛けると、さらにギアが上がった。併走馬のダノンマッキンレー(5歳1000万下)に、体重の軽い松若を乗せてハンデをつけたが、併入の形でフィニッシュ。ラスト1Fも12秒3を叩き出した。
あまりの迫力に松山は「すごかったです。前回の追い切りよりもスッと動いてくれた。素軽くなっているし、良くなっています」と良化に手応え。担当の平井助手も「めちゃくちゃいい状態」と胸を張った。まさにピークの状態にある。
問題になりそうなのが展開だ。同型が多く、ハナ争いの激化が予想される。「こればかりは枠とかにもよりますからね。ただ、引っ掛かるくらいなら速いペースでも行かせたい。けんかしないように乗ります」と、リズムを最優先するつもりだ。
何より松山にとっては、JRA・G1初制覇が懸かる一戦。「このような大きなチャンスを頂いたわけですから、全力で頑張ります」。悔いを残すわけにはいかない。ミッキーアイルの武器を最大限に生かす騎乗で、G1奪取に挑む。




