【ア共和国杯】アクター抜群だ

 「アルゼンチン共和国杯・G2」(8日、東京)

 08年の覇者スクリーンヒーローとの父子制覇を決めて、さらなる高みを目指す。昨年の菊花賞3着馬で、重賞初Vを狙うゴールドアクターは美浦Wで併せ馬。鞍上・吉田隼から絶好調宣言が飛び出したように、抜群の動きを披露した。父もこのレースで初タイトルを獲得し、次戦でジャパンCを制覇。同様の蹄跡を描きたい。丹頂Sで13年青葉賞以来の復活Vを飾ったヒラボクディープも美浦Wで軽快な動きを見せた。

 朝一番の美浦Wで、黒光りする馬体と抜群の動きをゴールドアクターが誇示した。ジェイケイニュース(4歳500万下)を2馬身追走し、4角で射程圏に入れると直線は進路を内へ。伸びやかなフットワークで並ぶ間もなく2馬身差で突き抜けた。6F81秒2-38秒1-12秒6のタイムに、手綱を取った吉田隼は「そんなに速かったんですか」と目を丸くする。「速い時計はいらないと思っていたなか、無理をせずに出た。本当に状態はいいです」とうなずいた。

 昨年の菊花賞で3着に好走したものの、その後はトモの疲れが抜けず長期休養を余儀なくされた。中川師は「ササ針を打ってじっくり立て直しました」と説明する。ただ、この“待ちの姿勢”が奏功。「馬体が成長してトモもパンとしました」と目を細めた。8カ月半ぶりの実戦となった函館の洞爺湖特別で2馬身差の快勝を決めると、続く前走のオクトーバーSでも危なげのないレースぶりでV。復帰後2連勝を飾った。5走前からコンビを組み、4勝を挙げている主戦は「この馬は完璧。お手本のような馬です」と絶賛する。

 父スクリーンヒーローは08年アルゼンチン共和国杯で重賞初Vを決めて、続くジャパンCも制してG1ウイナーの仲間入りを果たした。「次戦はオーナーと相談してから」と師は話すが、もちろん再現できれば最高だ。まずは今回、重賞初制覇を演じ切ってみせる。

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