【ローズS】クイーン女王の貫禄

 「ローズS・G2」(20日、阪神)

 前哨戦から女王同士が激突だ。16日、栗東CWでの最終リハに臨んだオークス馬ミッキークイーンは、他厩舎の馬に絡まれるという誤算はあったが、堂々とした立ち居振る舞いでこれをクリア。上々の仕上がりをアピールした。桜花賞馬レッツゴードンキも栗東坂路で力強い動きを披露。本番へ向けて、いきなり熱い戦いが期待できる。

 樫の女王の貫禄が不意に生じた誤算をはねのけた。池江師がミッキークイーンに課した最終デモは栗東CWでの単走追いだが、気分良く走るその背後から他厩舎の2頭が忍び寄り、4角手前では馬体が重なった。一瞬、不穏な空気が流れたが、G1ゼッケンを身にまとった女王の肝は太かった。ムキになることは一切なく、逆に1馬身突き放してフィニッシュを決めた。

 「3頭併せになってしまったけど、それに動じず、折り合いもついていたからね。幸いオーバーワークになることも、テンションが上がることもなかったよ。思い描いていた通りの感じできている」と指揮官は胸をなで下ろす。調教メニューこそ狂ったが、4F54秒1という時計はほぼ予定通り。ラスト1Fも12秒2と鋭い脚を使っており態勢は整った。

 春は思うように疲れが抜けず、右トモや右腰に痛みを残していたが、それも夏の放牧でリフレッシュ。「馬体重はプラス8キロくらいと、それほど変わらないが、体高は伸びた。カイバも食べているし体調もいいよ」と状態の良さを強調。1週前の追い切りに騎乗した浜中も「問題ありませんね。無事に夏を越してくれました」と好感触を口にした。

 注目される秋初戦。1番人気も予想されるが、主戦に気負いは見られない。「本番につながるメンバーがそろいましたが、ミッキークイーンらしい走りをしてくれれば、おのずと結果はついてくると思っています」とキッパリ。前哨戦から力の違いを示すつもりだ。

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