【中山金杯】ラブリーデイ重賞初V

 「中山金杯・G3」(4日、中山)

 ベリー&池江厩舎が今年も正月から輝きを放った。4番人気のラブリーデイが鮮やかに差し切り、重賞を初V。1分57秒8のレコードタイムをたたき出した走りは“飛躍の1年”を予感させた。2着はC・デムーロ騎乗の1番人気ロゴタイプが入り、外国人騎手のワンツー決着。一方、秋に凱旋門賞への挑戦プランを掲げている3番人気のラブイズブーシェは14着に大敗。遠征に暗雲が立ち込めた。

 もはや“正月の顔”と表現しても大げさではない。引き揚げてくる人馬に中山のスタンドの観客から声援が飛ぶ。「ベリー、サンキュー!」。アイルランドから来た助っ人に導かれ、ラブリーデイが初タイトルを奪取。昨年のオーシャンブルーに続き“ベリー&池江厩舎”が初笑いだ。

 完璧なレース運びが光った。道中はインの5、6番手を進み、直線は先に抜け出したロゴタイプをロックオン。きっちり差し切る内容に、鞍上は「ロゴが外にいたから引っ張ってくれると思った。厩舎からは100%の状態と聞いていたんだ」と笑みを浮かべた。

 ベリーが正月を日本で過ごすのは3年連続。今回も昨年の大みそかに母国を発ち、機上で年を越した。中山金杯は13年から2、1、1着とオール連対。その手腕でファンにお年玉を提供している。「中山は内が有利。いい枠を生かして競馬ができた」。自分の庭と化した舞台で今年も輝いた。

 「予想外。あんな時計で走るとは」と、快走に目を丸くしたのはオーナーの金子真人氏だ。1分57秒8のレコードVは、今年の飛躍を大いに期待させる。ベリーの好騎乗も手伝い、重賞2着3回の“善戦マン”から脱却。ひと皮むけた5歳馬が芝の中距離路線を盛り上げていく。

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