【有馬記念】ルルーシュ充実一途

 「有馬記念・G1」(23日、中山)

 今年の中央競馬を締めくくる大一番の追い切りが19日、東西トレセンで行われた。G1初挑戦での即Vへ、ルルーシュは横山典が騎乗し美浦Wで迫力満点のフットワーク。まさしく絶好調と言える内容で、前走のアルゼンチン共和国杯で好時計Vを飾った勢いも含めて遅れてきた大物の存在が不気味になってきた。一方、国内G1初Vを狙うルーラーシップは栗東CWで“キレキレ”の動きを披露。課題のゲート練習も行い、スキのない仕上げを施された。

 勢いを失っていないどころか、さらに上昇を示している。遅れてきた大物ルルーシュが初のG1舞台へ文句なしの態勢で臨む。最終追い切りは主戦・横山典が騎乗。先行する形から、直線では直後を追走してきたクラシックセンス(5歳1600万下)にいったんは馬体を合わせ、そこから馬なりのままグイッと突き放してみせた。

 美浦Wを5F69秒9‐41秒9‐12秒7。馬場の外めを回り、迫力満点の動きで締めくくった。この中間、2度目の追い切り騎乗となった横山典の第一声は、表情を崩すことなく「順調です」。デビュー以来5戦で手綱を取り、4勝して4着が1回。相棒の地力強化を間近で感じてきた。「成長と言うより、もともといいものを持っていた。順調に使っていけばオープン馬になれると思っていた。ようやく力を発揮できるようになってきたということ」とうなずく。

 2歳夏のデビューから3戦2勝。クラシックへ大きな夢を抱かせたが、股関節の不安などから本番を前にリタイア。1年2カ月にも及ぶ長期休養を余儀なくされた。しかし、この春に戦列へ復帰すると3・1・2・1・2・1・4・1着。前走のアルゼンチン共和国杯で待望の初タイトルを獲得した。

 藤沢和師も「順調です」の言葉を繰り返す。この日の動きにも「先週までに結構やってきているし、きょうはあまり速くならないようにと指示をした。順調です」と前を見据えた。厩舎期待の素質馬が、苦境を乗り越えて迎えた大一番。「今回は今までのようにはいかない。ただ状態も良く、元気のいいときに使えるのはいいね。来年へ向けてどこまでやれるか、楽しみと不安とだよ」と慎重ながらも、その表情は期待感でいっぱいだ。

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