中野量太監督が号泣受賞「湯を沸かすほどの熱い愛」で新藤兼人賞

「新藤兼人賞2016」の授賞式で号泣する金賞の中野量太監督=東京・一ツ橋の如水会館
「新藤兼人賞2016」を受賞した(左から)プロデューサー賞の川口典孝氏、金賞の中野量太監督、銀賞の小路紘史監督=東京・一ツ橋の如水会館
「新藤兼人賞2016」の授賞式で乾杯の音頭を取った津川雅彦=東京・一ツ橋の如水会館
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 独立系プロダクションで組織される日本映画製作者協会所属の現役プロデューサーが最も優れた新人監督に授与する「新藤兼人賞2016」の授賞式が2日、都内で行われ、金賞を受賞した中野量太監督(43)が感激のあまり号泣した。

 あいさつに立った同監督は「9年ぐらい前にこの場所に来たことがあります、見学に。いつかこの舞台に立ってみたいとは思っていました」と当初は笑顔で話していたが、「僕にとってのプロデューサーとは…」というなり突然絶句。「ダメなんです、こういうの」と号泣し始めた。何度も声を出そうと頑張ったが、立って話すことはできず、ついには控えの椅子に座ってのあいさつとなった。

 同監督は脚本も手掛けた女優・宮沢りえ(43)主演の「湯を沸かすほどの熱い愛」が評価されての受賞。商業映画デビュー作での快挙となったが「僕は1度監督をドロップアウトしてるんです。『湯を-』も興行的に何の保証もない新人の僕に撮らせてくれた。プロデューサーにどうしても恩返ししたいと懸命に作りました。(賞は)僕の誇りです。本当にうれしいです」と最後には明瞭な言葉で感謝した。

 乾杯の音頭を取った俳優の津川雅彦(76)からは「号泣、よかったよ。さわやかな号泣でした。監督さんの中にこんな感性持ってくれてる人がいると思うと、うれしくなってくる」とお褒めの言葉ももらった。

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