永六輔さん大往生 83歳、肺炎 作詞「上を向いて歩こう」テレビの礎築く

 大ヒット曲「上を向いて歩こう」「遠くへ行きたい」などの作詞、ベストセラー「大往生」の執筆など多彩な活躍で知られる放送タレントの永六輔(えい・ろくすけ、本名永孝雄=えい・たかお)さんが7日午後1時57分、肺炎のため東京都渋谷区の自宅で死去した。83歳。東京都出身。葬儀・告別式は11日、実家にあたる東京・元浅草の最尊寺で、近親者のみで営まれた。喪主は映画評論家の長女千絵(ちえ)さん(57)。後日、お別れの会を予定している。

 テレビの礎を築いた永さんが、七夕の日に最愛の昌子夫人の元へと旅立った。

 2010年、パーキンソン病を患った。所属事務所によると、ラジオなどで自分の言葉を届けたいと、自宅療養とリハビリを続けていたが、気管の炎症が治まりにくくなり7日、家族に見守られて息を引き取った。医師が「死因は肺炎としますが、老衰と言ってもいい状況です」という穏やかな最期だった。

 葬儀は千絵さん、次女でフリーアナウンサーの麻理(54)らで営まれた。遺影は約10年前に撮った笑顔。ひつぎには好物のアンパンや納豆、孫4人の手紙やCDが納められた。

 テレビの創生期を駆け抜け、テレビ番組の礎を築いた立役者だった。早大在学中から本格的に放送界入り。NHKのラジオ番組「日曜娯楽版」への投稿をきっかけに故三木鶏郎さん率いる制作者集団「冗談工房」に参加、コント作家を経て放送作家となった。

 台本を手がけ大ヒットしたNHK「夢であいましょう」には故渥美清さん、故坂本九さん、女優・黒柳徹子(82)が生出演。洗練された演出でお茶の間に夢を届けた。

 作詞でも才能を発揮した。作曲家の故中村八大さんとの“六八コンビ”で「こんにちは赤ちゃん」「黒い花びら」などのヒット曲を連発。坂本さんを加えた“六八九トリオ”による「上を向いて歩こう」は「スキヤキ」のタイトルで、3週連続全米ヒットチャート1位を獲得した。

 文筆では94年の「大往生」が現在まで累計242万部の大ベストセラーに。また、戦争体験を基に晩年まで反戦を訴え続け、和服や尺貫法の復権を訴えるなど反骨を貫いた。

 近年は主にラジオで活躍。67年から13年まで続いたTBSラジオ「永六輔の誰かとどこかで」は1万2000回超の長寿番組だった。闘病しつつ活動を続けたが同局「六輔七転八倒九十分」を今年2月から休養、6月27日に番組が終了した。

 70年から現在まで続く日本テレビ系「遠くへ行きたい」で、初代旅人を務めた永さん。多大な功績を残した旅が終わった。

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