安倍晋三首相は２７日、英国の欧州連合（ＥＵ）離脱に伴う金融市場の混乱に対応する緊急会合を首相官邸で開き、日銀に対し市場に潤沢な資金を供給するよう要請した。日本経済に悪影響が波及するのを阻止するため、対策の検討に着手した。中小企業の資金繰り支援や観光業の振興、雇用維持が柱となる。

　一方、「ハリー・ポッター」シリーズ著者のＪ・Ｋ・ローリング氏が「魔法が使えたら」とツイッターで投稿するなど、残留希望だった英国の著名人に動揺が広がった。ローリング氏は投票日直前に離脱派の主張を批判していた。ＥＵ離脱を受け「（英北部の）スコットランドが独立を模索するだろう」と懸念を示し、国民投票の実施を決めたキャメロン首相を非難した。

　男性音楽グループ「ワン・ダイレクション」のナイル・ホーランは、結論が出た２４日は英国にとって「悲しい日」と表現。Ｊリーグ名古屋で活躍した元イングランド代表ＦＷリネカー氏も「私たちは子どもや孫の期待を裏切ってしまった」とツイッターに投稿した。

　ロックバンド「オアシス」の元メンバー、ノエル・ギャラガーは写真共有アプリ「インスタグラム」に黒と白のＥＵ旗を投稿し「陰鬱（いんうつ）な日」と記した。ロックバンド「ブラー」のボーカル、デーモン・アルバーンは野外ライブで離脱を嘆き「決断は変えることができる」と聴衆に行動を訴えたという。