舛添知事 調査を元検事2人に依頼

 東京都の舛添要一知事(67)は25日、自身の政治資金疑惑などに対する調査を、元検事の弁護士2人に依頼したと明らかにした。弁護士の名前は調査結果が出るまで公表しない。出張先の福島市で報道陣の取材に応じた。20日の記者会見で同知事は「第三者の厳しい目」で疑惑を調査すると連呼していたが、タレントのビートたけし(69)が「誰なんだよ、どうせマヌケな弁護士だろ」と痛烈批判するなど、渦中の知事本人が選任した「厳しい目」がどのような調査結果を示すか注目される。

 知事は2人の弁護士について「一度も面識はないが、知人を通じて推薦された。政治資金規正法に極めて詳しい方々」と説明。名前の公表は「調査に支障があるので伏せてくれと(弁護士に)厳命された」と述べた。

 その上で、「元検事なので厳格かつ公正な目での要求が来ると思う。(調査には)全面的にお答えしたい。法的側面だけでなく、倫理的、道義的な面についても、厳しいアドバイスがあると思っている」と話した。

 調査の期限は「多少の時間は必要だが、できるだけ早くとお願いした。2、3カ月はかからない」として明言を避けた。調査対象は「疑義が呈されているもの全て」と説明し、政治資金のほか、高額な海外出張や公用車での別荘通いの問題も含めるとしている。

 知事は、家族旅行の宿泊費や私的な飲食費を政治資金として支出していたほか、「土産代」名目で似顔絵が描かれたまんじゅう代などを政治団体の政治資金収支報告書に計上し、「公私混同」だと批判されている。

 20日の記者会見で疑惑について追及された知事は「第三者の公正な目で厳しく調査してもらう」と繰り返し述べて、調査を複数の弁護士に打診していると明らかにしていた。

 知事と数多くのテレビ共演歴があるビートたけしは24日に、「第三者」による調査について、「誰なんだよ」「精査なんてしなくても、分かりきったこと」と、痛烈にぶった切っていた。

 東京都にはこれまで、知事の海外出張や公用車、政治資金を巡る問題で約1万8千件の意見が寄せられており、大半が批判的な内容だという。

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