ゴダイゴ 結成40年経ても古びない理由

 ロックバンドの「ゴダイゴ」が1976年4月にシングル「僕のサラダガール」でデビューしてから40周年を迎えた。40年という歳月もさることながら、多少の出入りはあったにせよ、オリジナルメンバー全員が健在というのも珍しい。リーダーのミッキー吉野はバンドが“長生き”した理由を「まとめないこと。いい意味で自主性を大事にしてきた」と振り返った。ゴダイゴの足跡をたどり、バンドの“熟成法”を考えて見ると…。

 ゴダイゴは70年代後半の大ヒットメーカーだ。78年に日本テレビ系ドラマ「西遊記」で使われた「ガンダーラ」「モンキー・マジック」が大ヒット。さらに「ビューティフル・ネーム」「銀河鉄道999」も大ヒットし、日本の老若男女から愛されるバンドとなった。その時代をボーカルのタケカワユキヒデは「80年代はお子ちゃまバンドとかアイドルバントとかいわれました」という。さすがのゴダイゴも以降はヒット曲が出ず、ついに85年にはインターミッション(一時休止状態)に陥るが、実はそこからがある意味“真のゴダイゴ”だった。

 ゴダイゴの持ち味はデビュー当時から高度な“音楽性”にあったと思う。当時のアルバムを今聴いても古さはまったくない。シンセを使った複雑な音の中でベースは走るし、ドラムははねる。コーラスもうまいと言い添えておこう。ミッキーは米バークリー音楽院を卒業、ギターの浅野孝巳は伝説のバンド「イエロー」で活動していた。だからタケカワはいうのだ。「ゴダイゴは一般的にヒット曲のバンドと思われていますが、音楽には自信があるんです。90年代、00年代と少しずつゴダイゴの音楽を分かってもらおうとやってきたんです」

 ヒット曲というのはアーティストの“看板”であると同時に、裏を返せばそのイメージから抜け切れない“泥沼”という側面も持っている。70年代前半に「学生街の喫茶店」を大ヒットさせたフォークグループの「GARO」はこの曲以降完全にアイドル化し、卓越したギターテクニックで“日本のCSN”と呼ばれた姿をなくし、あっという間に解散してしまった。当時を知る関係者は「B面で渋々入れた曲が当たってしまい、もうアイドル路線から後戻りできなくなってしまった」という。

 それに流されなかったのがゴダイゴのすごさだろう。外国人ドラマーのトミー・スナイダーも「ゴダイゴにはヒット曲じゃなくても素晴らしい作品がたくさんある。いいワインと一緒。年を取るごとによくなっていく」という。ファンに「好きな曲」を選んでもらうと、必ず1位になるのはどんなヒット曲でもなく組曲「威風堂々」というエドワード・エルガーをモチーフにした平和組曲だ。徹底した音楽性の追求がファンの支持を呼び、メンバーもさらに高みを目指していく。40周年の先の50、60周年のワインの味が楽しみだ。(デイリースポーツ・木村浩治)

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