15歳女子生徒誘拐 23歳の男確保
約2年前に行方不明となった埼玉県朝霞市の女子生徒(15)が東京都中野区で保護された事件で、埼玉県警は28日、未成年者誘拐容疑で逮捕状を取り、指名手配していた東京都中野区東中野、職業不詳寺内樺風(かぶ)容疑者(23)の身柄を静岡県伊東市内で確保した。首にけがをしており、静岡県内の病院に3日程度入院する見通し。埼玉県警は回復を待って逮捕する。
埼玉県警などによると、伊東市内で午前3時15分ごろ、「血だらけの男が歩いている」と通報があり、静岡県警の警察官が路上で寺内容疑者を発見。寺内容疑者は「カッターで首を切った。自殺しようとした」という趣旨の説明をした。
寺内容疑者は2014年3月10日、下校途中の女子生徒に「お父さんとお母さんが離婚する。弁護士のところに自分が連れて行く」とうそを言って誘い出したとみられる。生徒はその後、寺内容疑者の車に乗せられ、目隠しをされて千葉県内に連れ去られたという。
自宅郵便受けで「さがさないで」などとする生徒の自筆とみられるメモが見つかり、同月19日には「元気に過ごしている」と書かれた手紙も自宅に届いた。生徒は「メモと手紙は寺内容疑者に書かされ、いずれも手渡した」と話している。県警は、生徒を監禁するために家出を装った可能性があるとみている。
生徒は「(行方不明になった後は)ずっと千葉にいた。寺内容疑者に連れられて外出することがあった」と話し、監視が厳しくて外出の際も逃げられなかったとみられる。
寺内容疑者は今年2月に中野区のマンションに転居したが、千葉市のマンションで長期間、女子生徒を監禁していた疑いがある。
県警は28日、寺内容疑者の中野区のマンションから制服とジャージーを押収。ジャージーには生徒の氏名が刺しゅうされ、制服には通っていた中学校のバッジが付いていた。
寺内容疑者は3月に千葉大を卒業。就職先も決まっていた。
