「睡眠の日」快眠の秘けつは?
3月18日は「睡眠の日」。「寝付けない」「夜中に目が覚める」など睡眠に問題を抱える人は3000万人といわれる。良い睡眠を取り戻すための最新治療について「スリープ&ストレスクリニック」の林田健一院長に聞いた。
林田院長によれば、本来、睡眠と覚醒は昼夜で自動的に切り替わるようになっているが、「不眠症の人は“過覚醒”といって脳の覚醒システムがシャットダウンできない状態」。覚醒をつかさどるオレキシンが働き、夜になっても覚醒システムのスイッチが切れない。このため睡眠システムが起動しないという。
病院では問診や睡眠の記録、睡眠衛生指導といった治療が行われる。それでも寝付けない人には薬も処方される。
睡眠薬も進歩した。「従来の薬(GABA受容体作動薬)は脳全体を鎮静させるものでしたが、第2世代、第3世代の進化した薬が登場しました」。例えば2014年末に出た第3世代・オレキシン受容体拮抗(きっこう)薬は「覚醒システムの中枢であるオレキシン神経をブロックし覚醒状態をシャットダウンする」仕組み。寝付きだけでなく適切な睡眠の維持が可能で、脳を過剰に鎮静しないため、ふらつきや薬への依存リスクも少ないと期待されている。
生活も変化する春。林田院長は「寝る前にリラックスタイムを作ること、眠くない時は布団に入らないこと」など快眠への近道をアドバイスした。
