新幹線放火男、年金に不満漏らしていた

 神奈川県小田原市を走行中の東海道新幹線で起きた放火事件で、自殺した東京都杉並区の職業不詳林崎春生容疑者(71)が年金の受給額にたびたび不満を漏らし、「生活できない」と、周囲に話していたことが1日、容疑者宅近くの女性への取材で分かった。事件前日の6月29日には、ポリタンクを持って「ガソリンスタンドに行く」とも語っていたという。神奈川県警は殺人と現住建造物等放火の疑いで林崎容疑者宅を家宅捜索した。

 女性によると、林崎容疑者は2カ月ごとに受け取る年金の額について「35年間払っているのに24万円しかもらえない。税金や光熱費を引くとほとんど残らない。年金事務所で首でもつろうか」とこぼしていた。

 県警によると現場となった1号車の車内カメラに、林崎容疑者が持っていたリュックサックからポリタンクを取り出し、中の液体を体にかける様子が写っていた。リュックにタンクを隠して持ち込んだとみられる。

 県警によるとカメラに写っていたのは白っぽい透明なポリタンクで、大きさは10リットル入りぐらい。林崎容疑者宅近くの女性も事件前日の昼すぎ、容疑者がキャリーバッグの上に白っぽい小型のタンクを載せて歩いているのを目撃。「暑いのにどうして(燃料が)必要なのか」と聞いたが、明確な返答はなかったという。

 小田原市消防本部によると、1号車は前方の天井パネルが数メートルにわたってはがれ落ち、周囲が真っ黒になっていた。県警は、出火当時激しく燃え上がったとみて、液体の鑑定を進めている。

 林崎容疑者は若い頃、流しの演歌歌手として飲食店を回っていた。約40年前、同容疑者と一緒に流しで居酒屋やスナックを回っていたという男性(69)は「流しは30年ほど前に辞めたが、林崎は演歌が好きだった」。常連の居酒屋で野球チームをつくり、一緒に汗を流したこともあったという。「まじめだった。こんな事件を起こすとはとても思えない」と淡々と話した。

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