サザンオールスターズが、週刊誌５誌とコラボした自身初の雑誌を製作し、無料配布することが２１日、分かった。

　最新アルバム「葡萄（ぶどう）」に収録された５曲をテーマに、週刊文春、週刊現代などがそれぞれ特集記事を企画。巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄氏（７９）がインタビューに応じるなど、全３６ページの豪華な１冊となっている。完全限定１５万部で、２４日から全国のローソンに並ぶ。アルバムの売り上げは４０万枚を超えており、争奪戦は必至だ。

　５誌合計２００万部以上を発行する編集陣が“サザン・マガジン”を完成させた。

　総製作期間は半年。社会への問題提起から得意のエロ歌まで“現代社会の写し鏡”となっているアルバム「葡萄」の世界観をより豊かに提示するべく、週刊誌とのコラボが動き出した。

　それぞれ、収録曲をテーマにパロディー表紙と３ページの記事で構成。文春は、拉致問題について歌った「Ｍｉｓｓｉｎｇ　Ｐｅｒｓｏｎｓ」を題材に、横田めぐみさんの両親にインタビューするなど硬派な記事を提示。一方、「天国オン・ザ・ビーチ」を取り上げたプレイボーイは、ビキニ姿の小島瑠璃子が表紙を飾り、「エロ歌の３７年史」と題し、エロスたっぷりに展開している。

　「栄光の男」を採用したポストには、長嶋氏が登場。デジタル時代の恋愛を憂う「バラ色の人生」を扱ったＳＰＡ！に至っては「暴走する『デジタル愛欲』最前線」と銘打ち、「ヤリコンアプリ」「女性向け催眠オナニー」を特集する独自路線。各雑誌の“カラー”が凝縮され、サザンらしいオモチャ箱のようなアルバムの輪郭を鮮明にしている。

　普段から週刊誌を愛読する桑田佳祐（５９）も「自分たちの歌が解釈されて、形になるなんて、こりゃ面白い」と喜んでいるという。

　４７都道府県のローソン全店舗で限定１５万部が無料配布される。出版社の垣根を越えたフリーペーパーが作られるのは極めて異例。どの雑誌もサザン愛を動力に手弁当で記事を作っており、まさに国民的バンドだからこそ完成した１冊となっている。