菅田将暉 震災ドラマ出演で強い思い

 震災から20年目の1月17日がめぐってきた。当時1歳だった俳優の菅田将暉=すだ・まさき=(21)は、若い世代の立場から、未来に向けて、1・17を語った。

 「絶景でした。被災した場所とは思えないくらい。復興させた人間の力はすごい、と同時に、この場所で前を向いて闘ってきた人がたくさんいる、と思った」

 17日にNHK総合で放送される阪神・淡路大震災20年ドラマ「二十歳と一匹」に主演する菅田将暉はロケで訪れた神戸市・灘丸山公園からの街並みを見て、こう感じたという。

 ドラマは震災で両親を失った幼い子どもが20年後に災害救助犬のハンドラーを目指す物語を描いているが、菅田自身も、震災時は1歳だった。大阪府豊中市出身。揺れではね飛ばされた母に、隣で寝ていてつぶされそうになったという。本人に記憶はない。震災と言えば社会の勉強で刻まれた記憶だけだった。

 ドラマへの出演が決まり、震災との身近な関わりを知った。祖父が震災後の被災状況を調査する仕事に従事。出演を知った祖父から届いた手紙には、当時の写真とともに体験談がつづられていた。ガレキに埋もれた街。そこで起こっていた事実。被災者の様子。すべてが衝撃だった。

 震災から20年が経過した。自身には歴史として刻まれていたことだが、ドラマの仕事を通じさらに多くの事実を知った。「今でも被災した方には忘れられないことです。この街を作った人がいる。前を向いて必死に頑張った人がいる、そんな事実を伝える役割を、僕らの世代が引き継いでいかねばいけない」。強く誓った。

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