「我慢できないぐらい恐ろしい薬」
覚せい剤取締法違反と麻薬取締法違反の罪に問われた人気デュオ「CHAGE and ASKA」のASKA(本名・宮崎重明)被告(56)の初公判が28日、東京地裁で行われ、検察側は懲役3年を求刑した。ASKA被告は起訴内容を全面的に認め、薬物を断ち切ることを誓ったが、共に逮捕された愛人の栩内(とちない)香澄美被告(37)への未練を断ち切れないところも見せた。一般傍聴席を求めて行列を作ったのは2646人で、倍率は126倍。即日結審し、判決は9月12日に言い渡される。以下は冒頭陳述の一問一答。
【弁護側】
‐いつから覚せい剤を使っていたのか。
「2010年夏だったと思います」
‐なぜ覚せい剤を始めたのか。
「興味もありましたが、病院で処方された薬(睡眠導入剤と眠気覚まし)が効かなくなったから」
‐ずっと使っていたのか。
「10~11カ月、使ってない時もありました」
‐覚せい剤の入手を依頼した相手から脅迫を受けて、お金は払ったのか。
「払いませんでした」
‐MDMAを購入したのはいつか。
「今年3月です」
‐それ以前にも使っていたのか。
「二十数年前にロンドンで1度使って、今回までは使ってません」
‐購入したのは何錠か。
「100錠。最初は5~10錠を頼みましたが、『100錠じゃないとダメだ』と言われ、たった1個のために100錠買う羽目になりました」
‐なぜ覚せい剤を使うのを我慢できなかったのか。
「我慢できないくらい恐ろしい薬でした」
‐薬を売ってくれる人と交流があったが、これからは。
「付き合わなければ良かったと思います。連絡を取れそうなものは削除します」
音楽考えられない
‐将来、音楽活動は続けるのか。
「今は何も考えられないので、主治医の指示に従って治療を続けたいと思います」
【検察側】
‐なぜ検査キットで調べた直後に薬物を使ったのか。
「(薬物を)1回使うと1週間は尿から反応が出てしまうので、(検査後)すぐに使えば(次の検査で)反応が出ないと思ったからです」
‐栩内被告と2人でMDMAや覚せい剤を使ったのでは。
「使っていません」
‐食べ物や飲み物に混ぜて飲ませたことはないか。
「そんなひきょうなマネはしたことありません」
‐栩内被告のことをどう考えているのか。
「大事な存在だと思っています」
【裁判官】
‐恐ろしいと分かっていても覚せい剤は我慢できないものか。
「使用した1日後に倦怠(けんたい)感がやってきて眠くなることがありました。そうならない前に次のを使うことがありました」
‐覚せい剤をやめようと思えば耐えられるのでは。
「所持した物があるから使ってしまいます。なくなったら諦められますが」