小保方氏「STAP細胞作成は毎日」

 STAP細胞の論文問題で、理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダー(30)は14日、代理人弁護士を通じて文書を発表し「STAP細胞の作製は毎日のように行い、複数回する日もあった」と主張した。同氏は9日の記者会見で「200回以上成功している」と話しており、文書では「2011年9月ごろまでに100回以上は作製し、その後も実験に使うため100回以上作った」と経緯を補足した。

 小保方氏は発表した文書で「論文には80種類以上の図表が掲載されており、それぞれに複数回の予備実験が必要だったため、STAP細胞は日々培養され解析されていた」とした。

 代理人の三木秀夫弁護士は「STAPの培養や解析は小保方氏にとって日常的な作業だった」としている。

 他の研究者による再現実験が進まないことについて、小保方氏は9日の記者会見で「独自に作った方もいるが名前は伏せたい」と話した。文書では「成功した人の存在は、理研も認識しているはずだ」と主張した。

 理研の広報担当者は14日「論文共著者以外の人物も、細胞が光り、万能性を示す遺伝子が働いたことを確認するのに成功した」と明らかにした。一方で「完全に再現したとは言えず、小保方氏の主張を裏付けるものではない」と説明している。

 小保方氏は「STAP細胞の効率のいい溶液のレシピや実験手順は、所属機関の知的財産だ」とする一方「状況が許されるならば実験を早く再開し、映像や画像などを盛り込んで公開したい」とした。

 文書は「記者会見に関する補充説明」と題したA4判3枚で、代理人弁護士が小保方氏から聞き取った内容としている。理研の調査委は、小保方氏側に主張を裏付ける資料の追加提出を求めており、加賀屋悟広報室長は「文書が理研にも提出されれば、再調査の審査でも考慮することになるだろう」との見方を示した。

  ◇  ◇

 小保方晴子氏の弁護団が公表した文書の要旨は次の通り。

 【200回以上成功したと述べた点について】

 マウスから細胞を取り出し、刺激を与えるのに時間はかからない。毎日のように行い、1日に複数回行うこともあった。

 いろいろな細胞を使い、さまざまなストレス条件で実験した2011年9月ごろまでに100回以上、脾臓(ひぞう)由来のリンパ球に酸性溶液で刺激を与える方法で9月以降も100回以上作製した。

 作製に成功した第三者の名前は公表できないが、存在は理化学研究所も認識している。

 【レシピの公表】

 再現実験を試みた方がどのステップで失敗したか情報を整理し、手順書への加筆に積極的に取り組んでいきたい。

 【報道について】

 (雄のSTAP幹細胞しかないのに論文に雌のデータが載っていたとの報道があったが)雌の幹細胞は作製され、理研に保存されている。

 (若山照彦山梨大教授がSTAP幹細胞の作製を依頼した際、依頼とは違うマウスで作製したとの指摘に対して)幹細胞はすべて若山先生が樹立されたものだ。

 【9日の会見】

 不服申し立てに関する会見で、準備期間も不十分な中、STAP細胞の存在や意義の説明を十分にできなかった。体調が戻り次第、科学的な説明をする機会があればありがたい。

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