82歳八千草薫 58年ぶり世界再進出
女優・八千草薫(82)が16日、都内で主演映画「くじけないで」の初日舞台あいさつを行い、58年ぶりに海外の映画祭に参加することを発表した。同作が現在豪州で開催中の「第17回日本映画祭」に招待されたもの。この日は赤木春恵(89)、吉行和子(78)も都内で主演映画の初日舞台あいさつを行い、大ベテラン女優たちが健在を示す“おばあちゃんデー”となった。
今年1月に101歳で亡くなった詩人・柴田トヨさんを熱演した八千草が、1955年に公開された主演映画「蝶々夫人」以来、58年ぶりに海外の映画祭に参加することになった。司会から「くじけないで」の映画祭出品が発表されると、八千草は小さく笑みを浮かべ、会場からの大きな拍手に応えた。
半世紀超の時を経ての海外“再進出”に「びっくりいたしました」とゆったりした口調で話し「もう既にこの作品の良さを(海外の方が)知ってくれているんだと思うと、心強く感じますね」と、静かに心を躍らせた。
八千草はメガホンをとった深川栄洋監督とともに映画祭に出席。上映が予定されている23日に合わせ、会場となるシドニーに向けて出発する。ちなみに「蝶々夫人」では、伊ベネチア、仏カンヌ、香港の3つの映画祭に参加している。
12日の特別試写会では、皇后陛下から「とてもいいものを鑑賞させていただきました」と言われたといい「とてもうれしかったですね」と、作品への自信を深めた様子だった。
