【7】最年長シードで“卒業”お預け

 「室田淳の鉄人トーク・第7回」

 50歳を過ぎてからもレギュラーツアーとシニアツアーを掛け持ちでプレーしてきたわけだけど、ここ数年は、そろそろレギュラーから退いてシニアに専念しようという気持ちへ傾きつつあった。

 その思いを強くしたのが昨年の日本オープン(千葉CC梅郷コース)。何十年もこの大会に出てきて過去最高の6位に入ることができたんだ。まさか、この年齢になって、日本最高峰の試合でトップ10に入れるなんて思いもしなかったから本当にうれしかったね。

 特に自分でもびっくりしたのが最終日の最終18番。10メートルぐらいの長いバーディーパットが残ったんだけど、グリーンの傾斜がすごくて3パットも覚悟しなきゃいけないくらい難しいラインだった。これが一発で入って6位でフィニッシュ。これまで頑張ってきたことへの神様のご褒美みたいに感じて、「これでもうレギュラーツアーはやり尽くした。来年からはシニアツアーだけでいこう」という気持ちが固まった。

 ところが、この6位がものをいって、賞金シードが5年ぶりに転がり込んできた。聞くところによると59歳で賞金シードを手にしたのは史上最年長らしい。こうなったからにはレギュラーツアーの卒業はお預け。今年ももうひと踏ん張りしなきゃいかんなという気持ちになっている。

 正直、ゴルフのことだけを考えたらシニアに専念した方がいいと思う。距離が長くて、セッティングも厳しいレギュラーツアーをシニアと掛け持ちでやるっていうのは肉体的にも精神的にも相当な負担がかかる。ゴルフがボロボロになりかねないんだ。それよりもシニアで毎試合、優勝争いをしている方がどれだけゴルフにいい影響を与えることか。

 でも、僕のことを応援してくれる人もいっぱいいるから、そういう人たちの期待に応えたいというか、元気にプレーしている姿を見せることで、特に同世代の人たちに希望を与えていかないとね。今年還暦を迎えるけど、まだまだ走り続けなきゃいけない。(協力 ザ・リッツ・カールトン大阪)

 ◆室田 淳(むろた・きよし)1955年7月26日、群馬県出身。太田高を経て日体大に進み、19歳からゴルフを始める。27歳でプロテストに合格し、91年のブリヂストン阿蘇オープンで初優勝。ツアー通算6勝。昨季は日本オープンで6位に入るなどし、史上最年長59歳にして賞金シードに返り咲いた。シニアツアーでも通算12勝を挙げ、06、07、13年と3度賞金王に輝く。家族は妻と3女。180センチ、80キロ。サメジマコーポレーション所属。

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