【6】驚異24アンダー!01年カシオ復活V

 「室田淳の鉄人トーク・第6回」

 ツアー6勝の中でも2001年のカシオワールドオープンの優勝は特に思い出深いね。飛距離を伸ばすために6、7年かかってスイングをいじって、ようやくフェードからドローに持ち球を変えた。そんな苦労が実った優勝だったからね。

 3日目には、尾崎(将司)さんと一緒に回ったんだけど、ドライバーは自分の方がよく飛んでいた。以前だったら絶対にありえなかったこと。何度もオーバードライブするもんだから、尾崎さんも「どうなってんだ?あいつは」みたいな感じで僕のことを見てたんじゃないかな。結局、4日間で通算24アンダーという自分でもビックリするようなスコアで勝つことができた。46歳で立派なもんだろう?(笑)。

 結果的に球筋を変えたことが、シニアツアーでの成績にもつながった。50歳(05年)になってシニア入りしたわけだけど、先輩プロと比べて、格段に自分の方が飛ぶわけだから、そのアドバンテージは大きかった。すぐにメジャーの日本プロシニア選手権で勝つことができ、翌年から2年連続で賞金王になれた。そんないい流れが、この年齢までずっと続いてる感じだね。

 今はどちらかというとストレート系のボールを打つようにしている。シニアの試合はそんなに飛距離は必要ないし、アイアンなんかも曲げる球じゃなく、ビシッと直線的にピンを攻めた方がバーディーチャンスにつきやすいんだ。それに一言でストレート系といっても状況に応じて、いろんな打ち方があって、フェードもドローも両方打ってきた分、他の人よりも引き出しは多いんじゃないかな。

 若いプロを見てても「もう少し、こういうふうにすれば良くなるのに」って思うことはしょっちゅうあるよ。プロである以上、お互いライバルなんで簡単に教えるわけにはいかないけど…。でも、プロアマ戦ではアマチュアの方に少しでも楽しくゴルフをやってもらえればと思ってアドバイスしている。この世界で長くお世話になってきて、少しずつでもゴルフ界へ恩返ししていければいいね。

 (協力 ザ・リッツ・カールトン大阪)

 ◆室田 淳(むろた・きよし)1955年7月26日、群馬県出身。太田高を経て日体大に進み、19歳からゴルフを始める。27歳でプロテストに合格し、91年のブリヂストン阿蘇オープンで初優勝。ツアー通算6勝。昨季は日本オープンで6位に入るなどし、史上最年長59歳にして賞金シードに返り咲いた。シニアツアーでも通算12勝を挙げ、06、07、13年と3度賞金王に輝く。家族は妻と3女。180センチ、80キロ。サメジマコーポレーション所属。

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