【13】プロになるため30万球打つ!

 「藤井かすみのよもやま話・第13回=ゴルフ上達の秘訣」

 上達するための一つの方法としては、とにかくたくさん球を打つことです。「下手を固める」という意見もありますが、私はたくさん打った方が、人に習うよりもつかめるものがあるんじゃないかと思っています。

 私自身もプロになるまではだれにも習いませんでした。本や雑誌も書いてあることがうまく理解できなかったので読みませんでした。今から思うと書いてあることも正しかったどうか疑問ですが。

 で、プロになるためにまずやったことは「とにかく30万球は打たなくちゃいけない。それぐらい打てばなんとかスイングになるかな」と思い、1日1000球をノルマに1年間打ち続けました。

 当時、私は東京郊外の「東京サマーランド」という練習場に通っていたんですが、私が打ち始めると、周りにいつも20人ぐらいの人たちが集まってきました。パーシモンのドライバーで250ヤード先のネットにバンバン直撃させていたので、おそらく“名物娘”みたいになっていたのではないでしょうか。

 そんなふうに毎日ドライバーを打ち続けてわかったことがありました。続けて100球ぐらい打つと疲れてきますよね。そこからが本当のスイングができるということです。

 次第に腕の力が取れていって、何の力も入らずクラブに引っ張られる感じで振れればしめたもの。クラブがスムーズにスパンと振り抜けるような感覚が大事です。私も昔、ソフトボールをやっていたので腕っ節には自信があり、最初は力任せに打っていましたが、それではスイングになりませんでした。しかし、脱力の感覚つかんでからは、スイングが良くなり、1日1000球打ちを始めて1年後には70台で回れるようになっていました。

 レッスンを受けることも、もちろん悪くはないのですが、教える側もスイングの良し悪しは分かっていても、そのためにどう体を使うべきかが分かってない人が多いように感じます。5回習ってうまくならないようだったら、合ってない可能性がありますから、別の先生に変えることを考えた方がいいかもしれませんね。

 ◆藤井かすみ(ふじい・かすみ) 1967年11月30日、山口県岩国市出身。広島・安田女子高時代からソフトボール選手としてならし、東京女子体育短大時代は全日本大学選手権で優勝し、日本代表にも選出。23歳からゴルフを始め、95年にプロテスト合格。01年ベルーナレディースで初優勝を飾り、ツアー通算10勝をマーク。師匠は岡本綾子。夫は競輪選手の高橋健太。現在は兵庫・マスターズゴルフアカデミーでジュニアらを指導。162センチ、64キロ。

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