【11】メーカーサポートでビッグドライブ

 「藤井かすみのよもやま話・第11回=女子プロの飛距離」

 アマチュアの男性から「女子プロはどうしてあんなに飛ぶのか?」という質問をたまに受けます。男性よりも体が小さく、力も劣る女子プロが簡単に250ヤード以上の飛距離を出すことが疑問でならないようです。

 しっかりとボールにパワーを与えられるスイングなどいろいろな要因がありますが、一つに体が柔らかいことが挙げられます。体が柔らかいと可動域も広くなり、それだけ大きなスイングアークで飛ばせるのです。

 そのためには日頃のトレーニングがとても重要です。女子ツアーでもトーナメント会場で朝、クラブハウスの周辺や駐車場を走っている選手をよく見るようになりました。クラブハウスのお風呂場でトレーニングをしてからコースに出ていく選手も増えましたね。一昔前はあまり見られなかった光景です。

 クラブメーカーによる手厚いサポートも大きいです。ツアーで活躍するほとんどの選手はクラブメーカーと用具使用契約を結んでおり、担当者がツアーに帯同して、その選手に合ったクラブを準備してくれるのです。

 私の師匠である岡本綾子さんはミズノと契約しています。ツアーに出ているころ、ドライバーなどたくさんのクラブを抱えた担当者が、しばしば岡本さんの元を訪れました。岡本さんはその一本一本を試打して数本を抜き出し、さらにその中から自分のイメージ通りの球が打てるドンピシャのクラブを1本選んで試合で使うのです。

 アマチュアの方はほとんど気づかないと思いますが、同じ種類のクラブであっても、実は感触だったり、形状だったりが微妙に違うのものです。プロはそんなミクロ単位の違いが非常に気になるのです。かくいう私も契約を結んでいるミズノさんからこれまでたくさんのクラブを用意していただきました。自宅には中古ショップが開けるぐらいのクラブがあります。おそらく数にして500~600本はあると思います。

 話が少しそれましたが、このようにプロは自分のスイングや、その時々のコンディションにマッチしたクラブを常に用意してもらえるので、男性アマチュアに負けないくらい、しっかりと飛ばすことができるのです。

 ◆藤井かすみ(ふじい・かすみ) 1967年11月30日、山口県岩国市出身。広島・安田女子高時代からソフトボール選手としてならし、東京女子体育短大時代は全日本大学選手権で優勝し、日本代表にも選出。23歳からゴルフを始め、95年にプロテスト合格。01年ベルーナレディースで初優勝を飾り、ツアー通算10勝をマーク。師匠は岡本綾子。夫は競輪選手の高橋健太。現在は兵庫・マスターズゴルフアカデミーでジュニアらを指導。162センチ、64キロ。

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