佳菜子「重圧に負けた」経験不足も…コスチュームを宿舎に忘れるドタバタ劇

 【2011年12月26日付デイリースポーツ紙面より】

 「フィギュア全日本選手権最終日」(25日、なみはやドーム)

 SPで首位だった村上佳菜子(愛知・中京大中京高)は3位だった。

 フィニッシュを決めた村上は、今にも泣きだしそうな表情だった。SPではノーミスの完ぺきな演技を見せたが、初優勝が懸かったフリーではミスを連発。山田満知子コーチから「楽しく自由に滑ってきなさい」と送り出された17歳は、「本当に自由になっちゃいました」と、乱れた演技を自嘲気味に振り返った。

 冒頭の3回転ジャンプは成功させたが、続く苦手の3回転ループは1回転に。1度狂った歯車は元に戻すことができず、2度の3回転‐2回転の連続ジャンプも失敗。さらに終盤のステップでは派手に転倒した。「つまずいちゃいました。頭が真っ白になってしまって、どこから演技を始めたらいいのか戸惑った」。最後までトレードマークの“佳菜子スマイル”は出なかった。

 17歳がゆえの経験不足を露呈した。この日は最終滑走。6分間練習の後の本番まで、約40分間の待ち時間があった。縄跳びやランニングで備えたが、演技はスムーズさを欠いた。「SP1位はマグレなんで重圧は感じなかったけど、最終滑走は慣れてなくて動揺してしまった。待ち時間が長かったです」と、ため息をついた。

 前日はコスチュームを宿舎に忘れるドタバタ劇も演じた。「いろんなことが起きたけど、いろんなことも学べた大会だった」。日本一の夢は破れたが、3位に踏みとどまり、2年連続の世界選手権出場は決めた。初出場だった昨季は8位に終わっており、「それ以上の成績が目標。SPは自信がついてきたので、フリーでも同じぐらいに滑れるように、もっともっと練習します」。悔しさをバネに、世界の強豪が集う大舞台では成長した姿を披露する。

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