34歳・田中佑典 3度目五輪へ奮闘6位「“若き老害”になるのは嫌」光った熟練の技
「体操・全日本個人総合選手権」(14日、高崎アリーナ)
パリ五輪代表2次選考会を兼ねて男子決勝が行われ、34歳の田中佑典(田中ク)が6位と奮闘し、2大会ぶりの五輪出場へ大きく前進した。すでに代表に内定している東京五輪2冠の橋本大輝(セントラルスポーツ)が2日間の合計176・164点で、2008年から10連覇した内村航平以来、史上7人目の4連覇。2位の岡慎之助(徳洲会)に3・9点差をつける圧巻の内容だった。岡と、3位の萱和磨(セントラルスポーツ)が代表入りへリードした。
3度目の五輪代表入りへ、熟練の技が光った。田中は鉄棒で全体2位の14・933点をマーク。平行棒でも全体6位の14・966点と高得点を並べると、年齢を感じさせない演技で会場を沸かせた。「やっぱりオリンピックは力をくれますね。エンジンかかります」と大きくうなずいた。
代表選考でもリードした状態にある。予選、決勝と2種目が好内容だったことで『貢献度枠2人』に入る可能性が大きくなった。NHK杯の結果次第ではあるが、水鳥寿思男子強化本部長も「チャンスがある」と優位を示唆した。
34歳で6種目を通し切る鉄人ぶり。「われながら変人だな、何かおかしな域にきたかな」と笑って汗をぬぐいながら「ベテランぶっても仕方ない。(30代で)“若き老害”になるのは嫌」ときっぱり。謙虚さは忘れずに、夢舞台への“架け橋”をつくる。