伊勢ケ浜親方が還暦土俵入り「ここまでやってきて良かった」元日馬富士が太刀持ち
大相撲の伊勢ケ浜親方(61)=元横綱旭富士=が3日、両国国技館で還暦土俵入りを披露した。赤い綱を締め、太刀持ちに元横綱日馬富士、露払いに安治川親方(元関脇安美錦)と2人の弟子を従えて、2分12秒、華麗に演じ切った。
昨年、5月に行う予定だったが新型コロナウイルスのため延期。ようやく晴れの日を迎えられた。
「ここがひとつの目標ですので、いつかはやるぞみたいな感じでいたので、やることができたのでうれしく思います」と安ど。
観客から大きな拍手も受け、久々の不知火(しらぬい)型を披露。「ひとつひとつ(の所作を)しっかり、この還暦土俵入りを区切りに、新たなスタートを切るという思いでやりました。ずっとやってなかったので、結構まわしとか重いですから。なかなか、足を上げようと思っても上がらない。まあ、きちんとできたんじゃないでしょうか。自分の弟子が太刀持ち、露払いをやってくれた。それは、ここまでやってきて良かったかなと思う」とかみしめた。
先場所は弟子の照ノ富士が新横綱として引っぱった。優勝で土俵入りにも花を添えてくれた。「また、横綱1人になりましたけど、責任をしっかり全うして、横綱らしい相撲をこれからまた取ってくれると思う。みなさんに期待していただきたい」と力を込めた。
自身が不知火型で土俵入りを指導した横綱白鵬(現間垣親方)が引退。「引退は必ず、誰しもあること。これからしっかりまた、親方として、後進の指導にあたってほしい」とエールを送った。
この日に向け筋トレを続けてきたが、やっと解放される。「あまり、みすぼらしい体は見せられない。筋トレは何年だかはしてきたけど明日からしなくていいのかな。4年くらいかけて筋トレしてきた。(延期で)1年余分にトレーニング。しんどいですね。限界だったので、ちょうど良かった。(現役時とは)筋肉の量も違う。綱も重い、化粧まわしも重い。なかなか思ったように体動かないですよね」と肩の荷を下ろした。
定年まで4年を切った。「最後まで親方として、関取を1人、2人でも輩出して、協会のために頑張りたい」と決意を込めた。