【デイリースポーツ歴代担当記者が振り返る白鵬】言葉の端々に、にじんでいた父への憧れ

 史上最多45回優勝を誇る大相撲の第69代横綱白鵬(36)=本名白鵬翔、宮城野部屋=が1日、両国国技館で引退と年寄「間垣」襲名の会見を開いた。デイリースポーツの相撲担当記者が、白鵬を振り返った。

  ◇  ◇

 宮城野部屋の大部屋に、記者何人かで白鵬に招かれたことがあった。テレビにはモンゴル相撲(ブフ)の大会の映像。選手を紹介したり、アルスラン、アヴァルガといったモンゴル相撲の称号について、説明してくれたりしたと記憶している。

 言葉の端々に、モンゴル相撲の大横綱で国民的英雄だった父への憧れがにじんでいた。「いつか、自分も、そんな存在に」。そんな思いが感じとれた。

 白鵬は真の横綱になるべく奮闘していた。稽古場では“土俵の鬼”と呼ばれた初代若乃花が得意とした「呼び戻し」を試し「今のはどうだった?」と記者に確認することもあった。双葉山の69連勝に迫った際、大分県宇佐市の生家を訪れ、香をたき祈りをささげた。大鵬の優勝32回を目指し、超えた。

 引退会見では「最多優勝の記録を更新した時に目標を失う、夢を失う寂しさ、悲しさはあった」と話していた。だから、自分が大きい目標になるべく戦った。私の担当時は角界全体の不祥事が相次ぎ、白鵬個人の振る舞いに注目されることが後年ほどはなかった。本人が変わった面もあっただろうが、われわれの横綱を見る目も変わったのではないかと思う。(デイリースポーツ・広川継)

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