五輪延期 年内ならプロ競技はスター不在、マラソン東京回帰?1年なら選考混乱必至

 国際オリンピック委員会(IOC)は22日、臨時の理事会を開催し、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で開催の可否が問われている東京五輪について、延期も含めて4週間以内に判断することを決めた。これまでIOCのバッハ会長は通常開催を主張し続けてきたが、複数国のオリンピック委員会、競技団体、選手らから延期を求める声が上がり、通常開催を確認した17日の理事会からわずか5日で、方針転換を余儀なくされた。

 欧米メディアの報道によると、数か月また1年の延期が有力との見方が多い。

 ◆年内延期

 可能性が高いのは10月~11月か。コロナウイルスの感染が完全に終息していない可能性が高く、世界中から人々が集まる五輪には、その安全性に変わらず厳しい視線が注がれることになる。五輪を要因に再流行となれば、日本への信頼は失墜する。

 各競技場の使用延長が叶えば、陸上、水泳、体操など五輪の中核競技は比較的スケジュールの再調整がしやすい一方で、プロ競技や球技はシーズン終盤戦や、新シーズンの開幕を迎えるため、一線級が参加できなくなる可能性は高い。注目度の高いバスケットボール男子米国代表「ドリームチーム」の参戦は絶望的。ゴルフのタイガー・ウッズ、テニスのジョコビッチやフェデラーなどもそれぞれツアーを優先する可能性は高いとみられる。すでにシーズン序盤で大幅に延期を強いられた日本のプロ野球や、サッカーは欧州組、Jリーグとも参戦は厳しくなる可能性はある。スポーツの祭典としての五輪の盛り上がりは欠くことになりそうだ。冬季競技もシーズンインとなるだけに、さまざまな競技を取り巻く、放映権、スポンサーなどの調整も必要になる。

 また、IOCが猛暑を理由に強行的に札幌への移転を決めた陸上のマラソン、競歩について、再び東京へ戻す議論も起こりうる。

 ◆1年の延期

 各連盟やアスリートの声の中で、もっとも推されているのが、この案だ。

 20年までで契約している会場をあと1年確保できるかどうか。維持費も掛かる。また、3500人の職員を抱える組織委員会の人件費を含め、大会開催経費は大きく膨らむとみられる。

 開催予定を現在と同じ7月24日~8月9日だとすれば、2021年には花形競技である陸上の世界選手権が8月6~15日に米オレゴン州で、水泳の世界選手権が7月16日~8月1日で福岡市でそれぞれ予定されている。その他の競技も世界選手権を予定しており、難しい調整を強いられる。

 今年の7月にピークを合わせて調整する選手は、プランの練り直しを強いられる。また、代表選考をやり直すかどうかの議論も勃発する可能性は高い。すでに内定を得ている選手達の扱いをどうするか。取り消しとなれば、仲裁裁判所へ提訴するケースも多発すると見られる。

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