横審、稀勢の里が次回出場で途中休場なら決議も 「引退勧告」など

取材に応じる北村委員長(右)と春日野親方=両国国技館
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 日本相撲協会の諮問機関である横綱審議委員会が29日、東京・両国国技館で会合を開いた。

 左胸部の負傷などで初場所を途中休場し、5場所連続休場となった横綱稀勢の里について、北村正任委員長(毎日新聞社名誉顧問)は「同じことが続いている。(出場できるかどうか)判断を間違えてはいけない」と横審全体としての意見を述べ、次回出場する場所で途中休場など同様の結果に終わった場合は、「激励」や「注意」、「引退勧告」などの決議をとる可能性があることを認めた。

 北村委員長は稀勢の里が5場所連続で休場に追い込まれていることを受け、「今回またそれが繰り返されたことはまことに残念。本人がやれるんだという判断を間違えてはいけないので、その判断が持てた時に出てきて頑張ってほしい」と万全になってから出場してほしいという意見を述べた。

 横審全体として「非常にファンが期待している力士ですから、なんとか、この困難を克服してほしい」という意見で一致したと報告しつつ、一部に「同じことが繰り返されるようだったら、そこで考えなきゃならんと、横審としてもどう判断するか考えなきゃいかんだろうという意見もありました」と決議が必要とする声もあったとした。

 横審は横綱の土俵態度や成績などから軽い順番に「激励」、「注意」、「引退勧告」の決議を行うことができる。最近では、本人の引退届けが受理された後ではあったが、傷害事件を起こした元横綱日馬富士に対して「引退勧告相当」とする決議をとった。

 報道陣からは心身を万全とするために何場所猶予があるか、という質問も出た。北村委員長は「これから先何場所も休まれても困るので、仮定の話をあまりしてはいけませんけど、これからの成り行きがどうなっていくかを見て、横審として判断する」と特に期限は区切らなかったが、無期限ではないとした。

 また、両足親指の負傷で途中休場した横綱白鵬については「今までにけがをした時も、自分で自分を管理することが非常にできる横綱ですからやってくるだろうと思います」と再起を期待。批判された張り手・かち上げを封印していたことについては「いろいろ横綱としてあるべき相撲の形が何かというのを考えているんだろうなと感じました。その努力を引き続きやってほしい」と評価した。

 鶴竜については、進退については「乗り越えたのではないか」という見方を示した。「横綱として万全だったかと言われると最後のところは期待外れな部分もあった。来場所以降、しっかりしているんだというところを見せてほしい」とさらなる精進を期待した。

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