桐生、夢の9秒台はもう目前!追い風で日本最高記録の10秒04マーク

 ゴールした直後にタイムを確認し苦笑い
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 「陸上・織田記念国際」(29日、エディオンスタジアム広島)

 男子100メートルが行われ、リオデジャネイロ五輪男子400メートルリレー銀メダリストの桐生祥秀(21)=東洋大=は、向かい風条件では日本最高記録となる10秒04(向かい風0・3メートル)をマークし、4年ぶり2度目の優勝を果たした。風に恵まれず、期待された日本人初の9秒台はならなかったが、今季初戦から3戦連続で10秒0台をマークし、夢の記録が目前であることを印象付けた。

 横目に入った表示を見て、桐生は思わず天を仰いだ。「(9秒台を)出しにいったレース」。好スタートから中盤からも一気の伸びを見せ、ゴールを駆け抜けた。しかし、タイムは10秒04で、風は無情の向かい風0・3メートル。日本人にとって夢の9秒台は、またしてもならなかった。

 23日に10秒08を出した出雲陸上に引き続き、またしてもアゲンストの風に阻まれ、「おはらいにいこうかな」と、苦笑いを浮かべた。ただ、10秒04は向かい風条件では山県亮太(セイコーホールディングス)の持つ10秒06を上回る日本最速記録。これで今季初戦から3大会連続で10秒0台を記録し、10秒0台は日本人単独最多となる通算9度目だ。条件さえ整えば、いつ9秒台を出してもおかしくないだけの力を付けている。

 「求めている9秒台というタイムは出なかったけど、着実に力はついている。今日も30メートルでちょっとバランスを崩したし、50メートルからもっと上げられる感じがあった。(向かい風が)0・3メートルぐらいならもう出さないと」

 今後は5月3日の静岡国際(エコパ)で200メートルを走った後、同13日のダイヤモンドリーグ・上海大会で再び100メートル9秒台に挑む。土江コーチが「もう出ますから」と話せば、桐生自身も「9秒台は世界と勝負するためのスタート。早く出したい」と、もどかしそうに話した。

 あとは気象条件だけ。伊東浩司氏が日本記録10秒00を出してから19年。日本の陸上ファンが、なんとも言えないじれったい思いから解放されるのは、きっともうすぐだ。

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