元幕内の玉飛鳥が引退届 年寄「荒磯」を襲名 関取51場所「こんなに長くできるとは」
名古屋市出身の元幕内玉飛鳥(33)=片男波=が29日、日本相撲協会に引退届を提出し、同日の理事会で年寄「荒磯」の襲名が承認された。
日比野中学3年で中学横綱獲得後に入門。関取51場所を勤めあげた玉飛鳥は「落ちたり上がったりがありましたけど、幸せだった。こんなに長くできるとは思っていなかった」と話した。
入門直前に亡くなった父・幸男さんがつけてくれたしこ名で前相撲から土俵に上がり19年。「父は横綱になってくれと言っていた。父からみればまだまだと言われるかもしれませんが、ここまでやれてよかった」と振り返った。
再十両、再入幕はそれぞれ7回。不屈の闘志ではい上がってきた。新十両昇進もうれしかったというが「毎回、同じくらいうれしかった。辛かったことの方が多かったけど、うれしさの方が大きかった」と喜びの数は誰にも負けない。
今後は親方として後進の指導にあたる。「今の師匠、先代の師匠に教えてもらい、心を持った本当の強さを持った力士を育てたい」と地道な努力家らしく語った。