稀勢の里、綱とり絶望的 重い2敗目に「うーん…。うーん」

 「大相撲秋場所・3日目」(13日、両国国技館)

 綱とりの大関稀勢の里は栃ノ心に渡し込みで敗れて2敗目を喫し、3日目にして早くも崖っぷちに立たされた。

 限りなく重い2敗目だった。稀勢の里は立ち合い栃ノ心に左に変化され、体が泳いでしまった。何とか踏みとどまって振り向きざま反撃に出ようとしたが、時既に遅し。相手に一気に攻め込まれ、最後は左の渡し込みでトドメを差された。

 支度部屋では無念の思いを隠せなかった。報道陣に「変化は頭にあったか?」と聞かれ「うーん…」。しばらく時間がたってから「うーん、落ち着いていけば良かったんですけど」と言葉を絞り出すのがやっとだった。

 3日目にして平幕相手に2敗。昇進条件は初優勝で数字上の可能性は消えていないが、土俵下で見守った友綱審判長(元関脇魁輝)は「(綱とりの)話題がなくなったね。確率的には10%くらい残っているが、相撲内容が悪すぎ」と一刀両断。八角理事長も「余裕がないってことだろう」と厳しい評価だった。

 奇跡的な昇進を果たすには、残り12番もう1敗もできない。報道時に「気持ちを切り替えられるか」と聞かれると「フー」とため息をついただけ。相撲人生最大の勝負の場所が終わるには早すぎる。

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