米国勢、意地のメダル独占 「五輪コラム」

 陸上女子100メートル障害で米国勢が金、銀、銅のメダルを独占した。ジャマイカ勢に押され気味だったスプリント種目で、3人娘が意地を見せた。

 ファイナリストの8人はいずれ劣らぬ美人ぞろい。とりわけチャーミングなブライアナ・ロリンズ、ニア・アリ、クリスティ・カストリンの米国トリオのレースには見ほれてしまった。

 ▽ロリンズが大輪咲かす

 決勝はロリンズの独壇場だった。好スタートで飛び出すと、右のリード脚を突き刺すように素早く着地し、スプリントを生かしてハードル間を走りきる。細かく編み上げたロングヘアーをなびかせ、米国伝統の鮮やかなハードリングでゴールを駆け抜けた。優勝タイムは12秒48にとどまったが、クオリティーの高いレースだった。

 よく鍛え上げられた体は引き締まっているが、164センチと日本選手並の上背だ。2013年の世界選手権(モスクワ)を12秒26の好タイムで制したものの、ここ2年はやや足踏み状態。今季はシーズン序盤から好調を維持し、25歳の誕生日前日の17日に大輪の花を咲かせたヒロインは「ああ神様、ほっとしたわ」と破顔一笑だった。

 粒ぞろいの米国代表には、別のハードラーが入っていた可能性もある。先月の代表選考会で6位に沈んだケンドラ・ハリソンだ。今季は5月に世界記録へ0秒03に迫る12秒24をマーク。選考会でも大本命だったが、ミスで自滅してしまった。

 ハリソンは「本当にがっかりしたが、ここからやるべきことは戻ってトレーニングをし、ダイヤモンドリーグでリベンジすること」と気持ちを切り替え、選考会の2週間後には12秒20の世界記録を樹立した。1988年にヨルダンカ・ドンコワ(ブルガリア)が作った記録を28年ぶりに0秒01短縮し、米国勢の層の厚さを改めて世界にアピールしていた。

 ▽北京以来の独占

 この大会では、ウサイン・ボルトの対抗馬と期待された34歳のジャスティン・ガトリンが100メートルでは銀メダルを手にしたが、勝負では完敗だった。

 続く200メートルは準決勝で敗退するまさかの不調。女子400メートルで金メダルを狙った30歳のアリソン・フェリックスは惜しくも銀メダルと、米国はエース格がジャマイカ勢らにはね返されていた。

 女子の短距離種目でのメダル独占は、08年の北京大会100メートルでジャマイカ勢がやってのけて以来のこと。銅メダルのカストリンは「私たちが最強ハードラーよ」と胸を張った。(船原勝英)

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