【朝原宣治の目】追い風1mなら9秒台

 「陸上・日本選手権」(24日、パロマ瑞穂スタジアム)

 男子100メートル準決勝は、9秒台の期待がかかるケンブリッジ飛鳥(23)=ドーム=が10秒25の全体トップで、山県亮太(24)=セイコーホールディングス=は10秒26、桐生祥秀(20)=東洋大=は10秒29で、それぞれ全体の2、3位で25日の決勝に進出した。

  ◇  ◇

 【100メートル元日本記録保持者・朝原宣治の目】

 山県君、桐生君とも、しっかり仕上げてきている印象だ。準決勝は向かい風1・4メートルで、肌寒く地面はぬれていた。その中で山県君は10秒26、桐生君も最後は横を見ながら10秒29だから同じくらいだろう。無風なら10秒10、追い風1メートルくらいなら9秒台は出ている。

 2人が準決勝で当たったのはもったいなかったが、予選で温存して準決勝でしっかり上げてきた。予選で抜くといっても、全部抜くと準決勝につながる走りはできない。課題を持って確認したから、準決勝はいい形で走れていた。決勝で勝負という理想的な展開になるだろう。

 準決勝で2人と別の組だったケンブリッジ君は、タイムは2人と同じくらいだったが、状況は少し違う。風も向かい風0・3メートルとよく、2人と並んでいなかったために走りに乱れはなかった。決勝では2人と並んで先行された時に、どう対応するかが見ものだ。

 日本選手権の大会記録は、2002年の私の10秒05が残っている。決勝ではぜひ、これも破ってもらいたい。(08年北京五輪男子400メートルリレー銅メダリスト、「NOBY T&F CLUB」主宰)

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