稀勢執念星 まさかの変化で無傷9連勝

 「大相撲春場所9日目」(21日、エディオンアリーナ大阪)

 大関同士の大一番は初優勝を目指す稀勢の里が綱とりに挑む琴奨菊を突き落とし、無傷9連勝で単独首位をキープした。幕内史上最多59度目の対戦は、真っ向勝負男がまさかの右へ変わっての決着。琴奨菊は2敗に後退し、綱とりへ崖っぷちに立たされた。横綱白鵬は小結栃煌山を一蹴し、勝ち越し。横綱鶴竜を破り、かど番を脱出した大関豪栄道と2人が1敗で追う。

 「あっ!」「えっ!」。館内にどよめきと悲鳴が沸き起こった。どんな時も真っ向勝負が代名詞の稀勢の里が、まさかの変化だ。

 立ち合い、低く突っ込んだ琴奨菊と頭でぶち当たった。次の瞬間、右に体を開き、右手で背中を突き落とし、土俵にたたきつけた。

 横綱白鵬らに変化され、何度煮え湯を飲まされても“直球勝負”を貫いてきた。愚直な男が信念を曲げてまでつかんだ執念の白星。初日からの連勝を13年夏場所で13連勝して以来の9に伸ばし、単独トップを死守した。

 口を真一文字にしたまま、支度部屋に引き揚げた大関に笑顔はない。「体がいい反応をしてくれた。いい場所におっつけが入ったので。いい攻めだった。相手がよく見えていた。結果、ああなった」と振り返った。

 これが史上最多59度目の顔合わせだった。先場所8日目に苦杯をなめ、琴奨菊に初優勝を許した際には「言いたいことは山ほどあるけど、胸にしまって頑張る」と吐露した。多くは語らないものの、元祖横綱候補として悔しくないわけがない。意地の雪辱で、ライバルの綱とりに待ったをかけた。

 朝稽古では「いっぱい、いっぱいです」と控えめだったが、日を追うごとに勝負勘は研ぎ澄まされてきた。「体の反応が良くなっている。積み重ねてきたものがありますから」。10日目は鶴竜戦と、今後立ちはだかる3横綱を撃たねば悲願の初優勝には届かない。「もう一度、集中」と稀勢の里は何度も繰り返した。

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