桃田の野望 バドミントンをメジャーに

 バドミントンの世界連盟スーパーシリーズ(SS)ファイナルのシングルスで日本勢史上初の優勝を果たした男子の桃田賢斗(21)=NTT東日本=と女子の奥原希望(20)=日本ユニシス=が14日、開催地のアラブ首長国連邦から成田空港に帰国した。桃田は同世代のフィギュアスケートの羽生結弦(21)=ANA、プロ野球日本ハムの大谷翔平(21)らに対抗心を燃やし、来年のリオデジャネイロ五輪での金メダル獲得を誓った。

 バドミントンをメジャースポーツにしたい-。史上初の快挙を成し遂げた桃田の野望は競技の枠を飛び越えたところにあった。優勝賞金8万ドル(約970万円)の使い道について聞かれ、「子供たちが憧れるように、高い服を着たり、ど派手な生活をしたい」と宣言。リップサービスの裏には「野球やサッカーのように注目されるようになりたい」という意識があった。

 同世代のトップアスリートにも刺激を受けた。サッカーのネイマール(バルセロナ)を敬愛する21歳は「同い年の大谷投手はすごいし、羽生選手は(GPファイナルで)330点!?」と目を丸くし、「バドミントンは企業スポーツなので、将来はプロ選手のパイオニアになりたい」と青写真を描いた。

 前週の全日本総合選手権で初優勝。疲労困ぱいで臨んだSSファイナルだったが、5戦全勝で世界の頂点に立った。決勝では同い年のアクセルセン(デンマーク)に快勝し、「相手が先にバテた。技術だけじゃなくフィジカルでも練習の方向性は間違っていない」と、今季から取り組んでいる肉体改造にも自信を深めた。

 リオ五輪の金メダルも射程に捉えた。世界ランク5位の桃田は今大会準決勝敗退の同1位・チェン龍(中国)には過去4戦全敗。それでも「チェン龍選手が勝手に準決勝で負けただけ。(決勝で)当たっていても勝てたと思う」と豪語し、来夏の有言実行へ向けて「金メダルを目指して、対等の意識で戦える」と力強く言い放った。

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