池江19年ぶり中学生女王!50バタ完勝

 「競泳日本選手権」(12日、辰巳国際水泳場)

 女子50メートルバタフライ決勝で、中学3年生の池江璃花子(14)=ルネサンス亀戸=が26秒49で初優勝し、96年の青山綾里(100メートルバタフライ)以来19年ぶりとなる中学生女王が誕生した。池江は100メートル自由形でも3位に入り、代表入りを決めていた800メートルリレーに続いて、400メートルリレーでも世界選手権(7月・ロシア、カザン)の切符を手にした。女子200メートル平泳ぎを制した渡部香生子(18)=JSS立石、男子400メートル個人メドレー優勝の萩野公介(20)=東洋大=が、今大会4冠を達成した。

 今大会、泳ぐたびに中学生新記録を塗り替えてきた14歳の勢いは、ついに日本の頂にまで到達した。池江にとって、最終種目となった50メートルバタフライ。スタートから飛び出すと、そのまま大学生、社会人を寄せ付けずに完勝。「50メートルは得意だし、優勝狙ってたので、うれしい」。中学生による日本選手権Vは96年の青山綾里以来。19年ぶりの快挙に、あどけない笑顔が咲いた。

 どん底から始まった大会だった。今季の日本ランク1位、個人種目で最も世界選手権出場に近かった初日の100メートルバタフライで、ペースを抑えすぎて、まさかの予選敗退を喫した。それでもタフな精神力を持つ14歳はへこたれなかった。

 「以前は駄目なとき、結構引きずるタイプだったけど、それだと周りに迷惑を掛ける。常に気持ちを切りかえるようにしてます」。翌日の200メートル自由形からは怒濤(どとう)の中学生新記録ラッシュで、4種目で計7回の中学新をマークした。そして400、800メートルリレーのメンバーとして、中学生では14年ぶりとなる世界選手権の切符も獲得。若い世代の躍進に、日本代表の平井ヘッドコーチも「リオ五輪、東京五輪に向けて、明るい材料」と目を細めた。

 充実の6日間を終え「悔しい思いもしたけど、いい経験ができた。自分的には満足した結果」と笑った池江。今夏には、1年前には「絶対出られないと思っていた」という世界選手権が待つ。夢舞台に向け、競泳界のシンデレラガールはさらに輝きを増していく。

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