錦織4強ならず「何もできなかった」

 「全豪オープンテニス」(28日、メルボルン)

 男子シングルス準々決勝で世界ランク5位の第5シード、錦織圭(25)=日清食品=は、前回覇者で同4位の第4シード、スタニスラス・ワウリンカ(29)=スイス=に3-6、4-6、6-7でストレート負けした。全豪の日本男子では1932年の佐藤次郎以来83年ぶりとなる4強入りを逃し、日本人初の四大大会制覇は5月下旬に開幕する全仏オープン(パリ)に持ち越された。

 真夏のセンターコートで錦織が散った。スタンディングオベーションに包まれ、ワウリンカと握手を交わした。世界ランク5位まで上昇し、四大大会制覇への期待が高まっていた全豪。世界4位を相手に、完敗の現実を重く受け止めた。

 お手上げだった。ワウリンカは最速222キロから、時には170キロ台まで、サーブのスピードに緩急をつけてきた。これがことごとく錦織の読みを外した。返せなかったサーブは40本。ブレークは3セット目の一度だけで、「何もできなかった」とうなだれた。

 錦織が打つコースも読まれた。ワウリンカとは初戦前日の19日に1セットの練習試合を行ったが、結果的に相手のメリットが大きかった。タイブレークでは1-6とされながら5度のマッチポイントをしのいで6-6まで追いすがったが、ドロップショットを狙い痛恨のミス。「取っていたら自分の中で何かが変わったかも。正直1番へこむ」。最後は209キロのサービスエースに力尽きた。

 それでも3回戦までは錦織対策を打ち破り、4回戦では自分のテニスが新たな領域に達したことを実感した。「本当に悪い1週間ではなかった。これを続けたい。グランドスラムのプレッシャーを経験し、プレーはもっと良くなるはず」。6度目の全豪で得た収穫は少なくなかった。

 一時帰国した後に渡米し、来月は全米室内、デルレイビーチ・オープンなどのツアーに出場予定。そして欧州を転戦し、全仏オープンに臨む。「これからはトップ10に勝っていかないといけない立場。ベスト8は満足できる結果ではない」。歴史を変える舞台をパリへと移す。

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