3代目“山の神”降臨!青学大往路初V

 「箱根駅伝・往路」(2日、大手町~箱根町=5区間)

 3代目の“山の神”の誕生だ。青学大が5時間23分58秒で往路初優勝を飾った。2位でたすきを受けた5区の神野大地(3年)が驚異的な走りで逆転。2012年に“新・山の神”柏原竜二(東洋大、現富士通)がマークした区間記録(1時間16分39秒=今年からコース変更のため参考記録)を24秒上回り、2位に4分59秒差をつけた。66年ぶりの総合Vを狙う明大が2位、総合2連覇が懸かる東洋大が3位に続いた。

 雪化粧した箱根の山に、新たな神が降臨した。その名は神野大地。164センチ、43キロという小柄な体を目一杯使った圧巻の走りが風を切り裂いていった。

 10キロ過ぎに先頭を捕らえると、そこからは独走。標高874メートルの最高到達地点から下りに入ると、等間隔で応援していた両親と兄に順番にガッツポーズを繰り出しラストスパート。一部でコース変更があり、参考扱いとなった“新・山の神”柏原の区間記録を24秒上回る1時間16分15秒をマークし、「夢じゃないかと思うくらいにうれしい。1年間箱根のために生活してきたし、結果が出てよかった」と笑顔を見せた。

 昨年は2区で区間6位。原晋監督から「我慢強く、粘れる」と山の適性を見出されて挑んだ山上りだった。「5区はすごく走りたかったわけじゃないけど、監督が『国民的ヒーローになれるぞ』と言っていたので、チャンスだと思って走った」と神野。今季から導入したコアトレーニングにより「ケツの穴を締めると風に飛ばされない」と、箱根の山用の走りを修得。当初の目標は1時間18分台だったが、調子の良さから1週間前、コーチに「柏原さんのラップを出してください」とお願い。柏原がたたき出した記録に真っ向から挑み、打ち破った。

 中京大中京高時代は全国で目立った成績はないが、毎週同じローテーションの練習を地道に続けた結果、徐々に才能が開花。大学入学後は早朝練習前、夕食後の寝る前など1人黙々とストレッチをする神野の姿があった。「陸上に人生のすべてを懸けている子」と原監督。いつしかストレッチルームは、神野に触発された選手たちでいっぱいになった。

 2位との差は約5分。青学大にとって、創部96年目で初の箱根総合優勝はもう手の届くところにある。原監督は「セーフティーリードだとは思う」と認めた上で「油断が怖い。守りには入らない」と引き締めた。新たな神が導きし新緑のタスキは、このまま先頭で大手町まで駆け抜ける。

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