桐生10秒05!大学生タイで圧巻のV
「関東学生陸上対校選手権・第2日」(17日、熊谷スポーツ文化公園)
男子100メートル決勝が行われ、日本歴代2位の10秒01の記録を持つ桐生祥秀(18)=東洋大=が、自己2番目の記録となる10秒05で初優勝を飾った。同タイムは、02年に東海大の末続慎吾(現ミズノ)が出した記録に並ぶ日本大学生タイ記録。女子100メートルはロンドン五輪代表の土井杏南(18)=大東大=が11秒59の大会記録で初優勝した。
力の違いを見せつけた。スタートからスムーズに飛び出し、持ち前の中盤以降の伸びで他を圧倒。ゴールを駆け抜けタイムを見ると、思わずガッツポーズも出た。最高の形で大学初タイトルを手にした桐生は「大学生相手に負けたくはなかった」と、胸を張った。
改めて感じた“世界の壁”が、桐生の闘争心に火を付けた。11日のゴールデンGP東京で、ロンドン五輪銅メダリストのガトリンら海外招待選手に大きく離され5位。「世界のトップクラスにはあれだけ離された。日本で負けていたら、世界に追いつけない」。関係者によれば、この日の決勝前の桐生は「今までにない他を寄せ付けない雰囲気だった」という。極限まで集中を研ぎ澄まし、久々の会心に走りにつなげた。
追い風だったとはいえ、高速トラックではないレースでの好記録が成長を物語る。10秒01は好記録続出で有名な織田記念だっただけに「あの(広島の)トラックじゃないところで、セカンドベストが出せた」と、今後への手応えもつかんだ。
6月には初の日本一が懸かる日本選手権(福島)も控える。本格化を感じさせた桐生の走りに期待は高まるばかり。日本人に立ちはだかってきた“10秒の壁”。もはやその壁は、いつ打ち破られても不思議ではない。
