別海に感じた21世紀枠の意義 センバツ総括

 高校野球芸人のかみじょうたけし(46)が、高崎健康福祉大高崎の初優勝で幕を閉じた第96回選抜高校野球大会を振り返った。1回戦で敗れた別海(北海道)のアルプスで感じた町民の思いに触れ、21世紀枠で出場することの意義について語った。

 今大会は新基準のバットもあって、投手有利になるだろうと予想していました。その中で、決勝に残った両校はいずれもいい投手が2人以上いるチーム。どちらが勝ってもおかしくないところで、より新基準のバットに適応したような高崎健康福祉大高崎が、上回ったのかなと思いましたね。

 今大会も何度かアルプス席にお邪魔させてもらいましたが、印象に残ったのは21世紀枠の別海。創志学園との1回戦の日はすごく風も強くて寒くて。そんな中、「別海魂」と書かれた横断幕を撮影していると、別海町から来たおじさんたちの声が聞こえてきました。

 「関西は暖かいと思ってたら、別海と変わんねえよな」

 「岡山は温暖なところだし、寒いってことはうちのペースだな。もっとふぶいてもいいぞ~」

 ほほ笑ましかった会話は、おらが町を代表して戦う球児たちへの思いでもありました。人口約1万4000人の町で、当日のアルプスには町民以外の方も含めて約1600人が集まったとか。残念ながら試合は負けましたが、その2日後のことです。大阪桐蔭と北海の試合で、北海のアルプスには、別海の選手たちが来ていました。

 帰りの飛行機まで時間があって、同じ北海道の学校だから応援に、ということでしたが、そこで別海の島影監督とも話させてもらいました。21世紀枠の出場校の連敗が続いているそうですが「僕が言うことではないかもしれないけど…」という前提で話されたのは、21世紀枠の意義です。

 島影監督は「町を挙げての応援が力になりました」と感謝されていて、町全体が活性化したところがあったと。もちろんそれだけではなく「僕たちの使命は夏に帰ってくること。21世紀枠の制度に甘えることなく、もう一度戻って来ることが恩返しですね」と。

 その言葉通り、別海がまた甲子園に帰って来れるのか。2年連続決勝で敗れた報徳学園のリベンジにも期待したいですし、春の次は夏。楽しみが尽きません。

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