広島・新井監督「『何とか…』という気持ちはすごく」 66年ぶり屈辱15試合連続3得点以下 15日にも自力V消滅

 10回、ボスラーにサヨナラの右前タイムリーを許し、ベンチに帰る遠藤
 8回、ベンチで戦況を見つめる新井監督
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 「中日3-2広島」(13日、バンテリンドーム)

 お願いだから止まってくれ…。広島が延長十回サヨナラ負けで今季2度目の6連敗となった。借金も今季ワーストを更新する4に膨らみ、気づけば下にいる5位・中日と1・5差。打線は11試合ぶりの2桁となる14安打を放ったが、わずか2得点で決定力不足は深刻だ。新井貴浩監督(48)は必死にプレーしたナインの思いをくみ取ったが、15日にも自力優勝の可能性が消滅する危機となった。

 ファビアンが悔しさを爆発させるようにほえ、中村奨はバットを地面にたたきつけた。試合を決める“一本”はまたしても生まれず、最後は力尽きた。拙攻に次ぐ拙攻の先に待っていたのは今季6度目のサヨナラ負け。新井監督は「今日はヒットをいっぱい打ったけど2死から連打が多かったから点が入らなかった。でもいいスイングができた選手は多かった」と冷静に振り返った。

 中日の7安打に対して、カープは2倍の14安打を放った。初回から10イニング連続で出塁。得点圏の好機は四回から7イニング連続でつくった。これだけを見れば2桁得点していてもおかしくない数字が並ぶが、得点できたのは六回2死一、二塁で菊池が放った一時同点の2点適時二塁打のみ。これでリーグ戦再開から15試合連続3得点以下となり、球団では17試合連続3得点以下だった1959年以来66年ぶりの屈辱になってしまった。

 2-2の七回2死一、三塁で一邪飛に倒れたファビアンは「いいところで打てなかった。いい仕事ができなかった。本当に悔しい」とガックリ。猛打賞を記録した中村奨も肝心の延長十回2死一、二塁で右飛に打ち取られ、「勝てなかったし、最後打てなかった。それだけ」と言葉少なだった。

 これだけ好機を逸し続けると流れは相手に傾き、踏ん張っていた救援陣もこらえきれず。延長十回は7番手・遠藤が先頭に安打を許すと、次打者のブライトにバスターエンドランを仕掛けられた。ゴロを捕球した二塁・菊池は二塁へトスをしたが、ボールは走者に当たって外野へ転がり、一、三塁にピンチは拡大(記録は菊池の失策)。その後、無死満塁からボスラーに右前へのサヨナラ打を食らった。

 菊池のプレーについて新井監督は「あれはもう勝負にいっているので、しょうがないでしょう」と言及。続けて「サヨナラのランナーが得点圏にいくわけだし、タイミング的にもいけた。あそこはもうしょうがない」と責めることはなかった。

 これで1週間勝利なしの6連敗だ。苦しい日々を過ごしているが「みんなの『何とか…』という気持ちはすごく伝わってきた」と指揮官は言った。明けない夜はない。もがく選手たちを信じて流れが好転する時を待つ。

 ◆最短15日に自力V消滅 広島は最短で15日に自力優勝の可能性が消滅。広島が同日のDeNA戦で敗れた後、残り60試合を全勝すると97勝42敗4分けで勝率・698。一方、阪神が15日の中日戦に勝利した後、残り10試合の広島戦で全敗しても、その他の47試合で全勝すれば99勝42敗2分けで勝率・702となり、広島は阪神を上回れない。また、15日に阪神が引き分けて、広島が敗れても消滅。

 ◆66年ぶり15試合連続3得点以下 広島の15試合連続3得点以下は17試合連続だった1959年以来、66年ぶり。この年は4月18日・国鉄戦~5月6日の国鉄戦までで得点は3・3・0・2・1・2・2・2・3・2・0・0・2・3・0・2・2・1だった。なお、59年のシーズン順位は5位。

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