立ち上がり不安定な広島・床田に安仁屋宗八氏が愛のムチ?「初回から飛ばせ!手加減せず全力投球じゃ」

 1回、山田に右越えタイムリー二塁打を浴び、天を仰ぐ(撮影・市尻達拡)
 1回、山田に右越えタイムリー二塁打を浴び、オスナの生還を許す床田(撮影・市尻達拡)
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 「広島2-2ヤクルト」(1日、マツダスタジアム)

 延長十二回で決着がつかず、引き分けた。デイリースポーツ評論家の安仁屋宗八氏は初回に2点を失った広島の先発、床田寛樹投手の投球に言及。7回2失点の結果自体は評価したが、「最近、立ち上がりがよくない。完投を目指すのはいいが、手加減せずに初回から全力で投げた方がいい」と忠告した。

  ◇  ◇  

 床田の立ち上がりを見ながら“どうもおかしいな”と思っていた。投球フォームですよ。踏み出した右足がインステップしたあと、グラついている感じだった。そして手投げになっていた。

 (床田は初回、先頭の並木に対し、様子を見るような投球でボールが先行。カウント2-2としたあと二塁内野安打。二死後、オスナと山田の短長打で、あっさり2点を先取された)

 その後もピンチの連続だったけどね。ところが四回、一死満塁で武岡を空振り三振に仕留めた外角高め149キロの速球は、右足のつま先がブレずに全体重が乗ったような威力のあるボールだった。

 そこから人が変わったように七回で降板するまで、ヒットを打たれることはなかった。投手という職業は微妙。ちょっとしたことで変わっていくものだ。もうあとがないという切羽詰まった状態での開き直りなのかもしれないが、よく持ちこたえたね。

 しかし、このところの床田は立ち上がりが不安定。手加減して投げているようにも見える。今年はすでに5完投(うち3試合で完封)していることもあり、完投ペースを意識しているのかもしれない。それ自体はいいことなのだが、逆に乗り切れないようにも映る。

 (6月7日の西武戦で完投勝利を挙げたあとは2試合連続して序盤から失点を記録し、いずれも5回で降板。そしてこの日は7回2失点。悪いとは言えないまでも、何とかしのいでいるという印象だ)

 これからは初回からエンジン全開で飛ばすことだね。手を抜かずに全力で投げる。そうすれば、これまでのように自分のペースに引き込めるのではないかと思うね。

 打線ではこの試合、2番に入った末包が久しぶりにホームランを打った。実に思い切りのいいスイングだった。

 2番打者と言っても送りバントやヒットエンドランなどのサインはないだろうし、ベンチは自由に打ちなさいと思って構えていたはず。思惑通りの結果が出たということでしょう。

 ただチーム打率はリーグで一番いいのに、チャンスで適時打がなかなか出ないのが今のカープ。打順の入れ替えはよく当たるのだが、課題は“ここぞ”で打てるかどうかに尽きるね。

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