広島・ファビアン 来日初4番で10号!5戦連続マルチ 心優しき助っ人「素晴らしいピッチング。佐藤くん、おめでとう」
「中日1-2広島」(29日、バンテリンドーム)
少し腕をたたんで、豪快に飛ばした。スタンドインを確認した広島のサンドロ・ファビアン外野手が、小気味のいいリズムでダイヤモンドを一周する。「感触は、めちゃくちゃ良かった」と振り返った先制ソロは節目の10号。来日初の4番に座り、チームの全打点をたたき出した。
四回1死で松葉の内寄りカットボールを強振した。1打席目は初球のチェンジアップをファウルし、カーブを打って三ゴロに凡退。それを踏まえ「近くのボールを、というイメージで入った」と狙い通りの打撃で、左翼スタンドに突き刺した。
続く六回は2死三塁で外角の際どいゾーンを中心に攻められた。2球で追い込まれながら、最後は6球目。見逃せばボール球の外角低めチェンジアップをすくった。右足を目いっぱい伸ばして食らい付き、左前適時打。喉から手が出るほどほしかった追加点を奪った。
力強い一発から一転、柔らかい対応力も兼ね備えるのが魅力。5戦連続の複数安打で打率も・317に上げ、リーグ首位打者の座も守った。「すごく厳しいボールを続けられたけど、いい反応で捉えた。本当に、打順はあまり気にしていない。どこでも自分のベストを出せるようにと思っている」と頼もしい。
ドラフト2位・佐藤柳の初勝利をアシストし、試合後は「素晴らしいピッチングだった。いいテンポで投げてくれて。佐藤くん、おめでとう」と自分のことのように喜んだ。心優しき新助っ人が打線を引っ張っていく。





