「広島春季キャンプ」（１３日、沖縄）

　広島の高卒２年目・仲田侑仁内野手（１９）が１３日、初参加となった地元・沖縄でのキャンプ初日から存在感を放った。

　朝から見せ場が訪れた。練習開始前に行われた歓迎セレモニー。新井監督からの突然のむちゃぶりだった。「どうしても彼（仲田）から皆さまに一言、ごあいさつをしたいと」と指名を受け、苦笑いを浮かべながら最前列へ。しかし、仲田にとって“想定内”のできごとだった。

　「皆さまおはようございます。雨の中、歓迎式を開催していただき、ありがとうございます」とすらすらとあいさつ。「自分の頑張っている姿を届けられるように頑張るので、よろしくお願いします」と締めくくると大きな拍手が送られた。

　一連の流れを仲田は「絶対、自分にくるなと思って考えていました」とにやり。指揮官も「あいつ用意してたな。くそっ。危機管理能力がある」と冗談交じりに悔しがりながら「やっぱり生まれ育った場所だからね。空気も合うだろうし。またさらにいいものを見せてもらいたいね」とこれまで以上のアピールに期待を寄せた。

　この日の練習でも指揮官から直接指導を受けるなど、期待は大きい。「自分の故郷でできるというのは本当にうれしいこと。沖縄県民の皆さんを元気づけられるようなプレーをできるように頑張りたい」と仲田。南国の大きな声援を背に受け、激しい競争に打ち勝っていく。

　◇仲田　侑仁（なかだ・ゆうと）２００５年７月３１日生まれ、１９歳。沖縄県那覇市出身。１８７センチ、１０７キロ。右投げ右打ち。内野手。那覇中、沖縄尚学高を経て、２３年度ドラフトで広島から４位指名。高校通算２２本塁打の右の大砲。２４年１０月５日、シーズン最終戦のヤクルト戦（マツダ）で、球団の高卒新人として初の４番打者（一塁）で１軍初先発初出場。第２打席で左前にプロ初安打を放った。