カープ大瀬良で7連勝 思考法チェンジで天敵退治 4年ぶり今季最多貯金「11」首位阪神0差追走
「広島東洋カープ3-1中日ドラゴンス」(23日、マツダスタジアム)
広島・大瀬良大地投手(32)が7回5安打1失点で4勝目を挙げた。6月24日・巨人戦以来、約1カ月ぶりの白星で、自身の中日戦の連敗も5で止めた。エースの力投に導かれてチームは2020年以来、3年ぶりの7連勝。阪神も勝ったため首位は逃したが、貯金は19年6月以来、4年ぶりの11とした。
忘れかけていた笑顔を取り戻した。仲間と勝利を分かち合う瞬間が、大瀬良の心を潤す。乱れかけた初回を乗り越え、約1カ月ぶりの4勝目。「やっぱり勝つのはうれしい」と白星の味をかみしめた。
初回は先頭の大島に粘られて10球目を中前打。続く岡林の四球で無死一、二塁とされたが、後続を寸断した。2死一、三塁では宇佐見に対し、ボールゾーンから外角いっぱいにカットボールを投げ込む「バックドア」で見逃し三振に斬った。
その後は尻上がりの投球。「見ての通り状態は良くなかった」と振り返るも、三回1死一塁では岡林を二ゴロ併殺、四回無死一塁では石川昂を遊ゴロ併殺に料理してピンチの芽を摘み取った。
2-0の七回に1点を献上したが、相手の走塁ミスもあってリードを保った。「カウント球、打たせていける球をうまく選択しながら。きょうはサク(坂倉)に感謝したい」と女房役をねぎらった。
開幕から思うように白星が伸びず、苦しい時間を過ごした。試合をつくっても要所で踏ん張れない。そんな日々を過ごす中、「『きょうもダメだった』という気持ちの落胆が大きくなっていた」とマイナスの感情が心の多くを占めていた。
波に乗れない半面、チームは好調。自分だけが下を向いてはいけない。そう悟り、この日は思考法を変えて腕を振った。「自分だけ、そういうふうになっていくのは違うなと。変に気負わずフラットに入っていけるようにした」。気持ちの持ちように変化を加え、勝利につなげた。
「ちゃんと寝られてるか?」。5月中旬、中継ぎの大道にメッセージを送った。後輩右腕が同18日・DeNA戦で6失点した後だった。後輩右腕とは、年明けの自主トレをともに行う間柄。「大道は僕の若い時に似ている」。自分自身、勝てないもどかしさを募らせていても仲間を思いやる。グラウンドを離れても、大黒柱としての役割を果たしてきた。
久々の白星に新井監督も「要所を締めながら素晴らしい投球だった」と拍手を送った。「引き続き、みんなで頑張っていきたい」と大瀬良。エースの本領発揮は、これからだ。)





