カープ藤井黎来 直球キレ復活へ体の連動性高める「キャンプのときより良くなってきた」

 広島の藤井黎来投手(23)が直球の球速アップで1軍昇格へと意気込んでいる。春季キャンプからフォームが定まらず、球威不足に苦しんでいた。上半身と下半身の連動性を向上させ、本来の直球を取り戻す。

 わずかな狂いを修正するための日々だ。藤井は「キャンプのときよりちょっとずつ良くなってきた」と前を向いた。直球の球威復活へ。自分自身と向き合っている。

 昨季は150キロを計測したが、1軍スタートだった春季キャンプでは140キロ台前半。今季初登板した3月24日・オリックス戦でも最速は145キロだった。球速が落ちている原因はフォームのバランスが乱れているため。「タイミングが合っていない。強くリリースするところでできていない」と分析した。

 理想の場所で球を離すため上半身の柔軟性向上に取り組む。重点を置くのは胸郭だ。胸回りを柔らかくすることで可動域を広げ、より胸を張ったフォームの土台とするのが狙い。元々、体は硬いだけにコツコツと地道な柔軟運動を続けている。

 栗林の助言も手助けになっている。撮影した自身のフォーム動画をスマートフォンで送り、アドバイスをもらった。カーブと2種類のフォークについてはお墨付きをもらったが、直球を投げる際の左膝について指摘を受けた。

 「ちょっと割れちゃう(開く)と。締めておかないといけないと言われました。いろいろと聞けたので良かったです」

 1月の自主トレではフォームなど熱心に指導を受けた。足を広げ、右手を頭の後で止めてから投げ始める守護神のキャッチボールの仕方もまねした。直球とフォークが武器という共通点がある。栗林の言葉はフォーム修正中の右腕にとって何より頼もしい。

 飛躍を目指すシーズンだ。昨季は自己最多の12試合に登板し0勝1敗、防御率3・86だった。20年のシーズン終盤に支配下登録され着実にステップアップしてきた。6年目の今季は40試合以上の登板を目指す。

 「頑張ります」

 シーズンは始まったばかり。キレのある直球を取り戻し1軍の舞台に立つ。

 ◆藤井黎来(ふじい・れいら)1999年9月17日生まれ、23歳。投手。右投げ右打ち。身長182センチ、体重91キロ。小学2年で野球を始める。大曲工では1年秋からベンチ入りし、2年夏の甲子園に出場した。3年夏の秋田大会3回戦の大曲農戦で無安打無得点試合を達成。17年度育成ドラフト2位で広島に入団した。

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